5月5日、朝日新聞に作家の梨木香歩さんの寄稿 「わくわくの旅に出るみなさんへ」 が掲載され、私は翌日の中学講堂朝会で、中学生にこの文章を読み上げました。そして、梨木さんの書いた2冊の本を紹介しました。今日は、梨木さんのメッセージを受け取った生徒たちの感想を、2編紹介します。
- 梨木香歩さんは世の中のことを自分のこととして受け止めてよく考えているんだなと思いました。私は、世界のニュースもいろいろな問題も、テレビを見ながら「大変だな」と思うだけで、あまり深く考えてはいなかったような気がします。童話を読んでも、お話としか考えてこなかった。そこから、作者の伝えたいことや教えを感じ取ろうとはしてきませんでした。でも、梨木さんは「龍の子太郎」を読んで胸を熱くし、そこから今の問題につなげて考えていました。先生の朗読を聴きながら、これからは社会のことについて真剣に向き合っていきたいと思いました。梨木さんのメッセージに出てきたように、世界には女性が深く関わっている問題がたくさんあります。そして、本当は傷ついてはいけないのに、龍の子太郎の母親のように傷ついてまで一生懸命に今を変えようとしている人がたくさんいます。誰も知らないようなところで頑張っている人もきっとたくさんいると思います。誰も傷つかずに、みんなが笑って生きられるような世界が早く実現するといいなと思います、(中学1年)
- 校長先生が長く話題を取り上げられていたのが梨木香歩さんについてのお話です。私は最初「梨木さんのことを知っていますか?」という質問に手を挙げられなかったのですが、その後、『西の魔女が死んだ』という本を読んだことがある人という質問に手を上げることができました。この本を読んだとき、最初は「西遠生にすすめる本」だから読み始めていたのですが、読み終わった頃にはなんて素敵なお話なんだろうとお気に入りの本になったのを覚えています。そんな梨木香歩さんが朝日新聞に文章を寄せていたと先生のお話で知って、もっと興味を持ちました。そして、先生は2冊梨木さんの本をご紹介くださいました。両方とも紹介を聞いていく中で興味深かったのですが、『僕はそして僕達はどう生きるか』という本が気になりました。前に、先生が『君たちはどう生きるか』という本を紹介してくださったときに読んでみたいと感じ、読もう読もうと思っていて読めていなかったのですごく気になりました。『僕はそして僕達はどう生きるか』は梨木さんの『君たちはどう生きるか』への答えが載っていると聞いて、こういう感じの本はあまり出会ったことがなかったので、すごく興味を持ちました。ぜひ『君たちはどう生きるか』を読んだら読んでみたいと思いました。そして、梨木さんが寄せてくださった寄稿文を聞いて、最初は少し難しい文章で理解が追いついていなかったのですが、先生の解説のおかげでなんとか分かることができました。『龍の子太郎』という本を挙げられていて、あんな素敵な本を書く梨木さんが伝えたい本だから、ぜひ読んでその想いを感じてみたい、知りたいと思いました。今回の講堂朝会では沢山の本に出会うことができ、読んでみたいという本がまた増えました。(中学2年)
『西の魔女が死んだ』は、生徒たちにとても人気のある本です。その本の作者である梨木さんの言葉は、生徒の心を動かしました。「龍の子太郎」のお母さん龍が傷だらけになって「山を動かす」という偉業を成し遂げたこと、そして本来は人が誰も傷つかずに世の中がよくなっていかなくてはならないことを、梨木さんは語っていました。そんなメッセージに対して、「女性たちが傷つかずに前進できる世の中にしたい」という女子ならではの感想が多数ありました。
梨木さんからこどもの日に子どもたちに向けて送られたメッセージ、そして梨木さんの書かれた本は、西遠の生徒たちの故k路を動かし始めています。