図書館入り口に掲げている「小さな白板(ホワイトボード)」、夏休み中も図書館開館日には掲げています。8月7日、8日には、小学生の学習教室や図書館開放も行われました。
8月7日(月)
ニュースは一瞬の雨。書籍は川であり、海である。 三浦英之
朝日新聞記者で、「五色の虹」「南三陸日記」などの著作もある三浦英之さんの旧Twitterより。即時性のニュースに対して、書籍は「川」「海」であるという言葉に、新聞記者としての誇りを感じます。三浦さんは、昨年7月安倍元首相の銃撃事件からぷっつりと旧Twitterを更新しなくなってしまいました。今年になって、三浦さんの新聞記事を目にしたり、山本美香賞を受賞したことで呟きを再開されたりして、三浦さんの活躍をまたか身近に感じることができるようになり、安堵しています。
三浦さんは、名もない市井の人々、世界の様々な場所で起こっている問題に、優しさや厳しさをもって深く取材する方です。「五色の虹」は戦前生まれの私の父でさえ知らなかった 〈満州国に「建国大学」という大学があったこと〉を伝え、丹念な取材を通して、その大学の設立意義や、そこに集まった秀才たちの苦難の人生をまとめています。父と親子読書した思い出の一冊です。
生徒の皆さんには、「南三陸日記」をおすすめします。東日本大震災の後、被災者の皆さんのことを愛情をこめて取材した三浦さんの生き方に触れてほしいです。
8月8日~
入口は教科書だった『こころ』から開いていった読書の扉 瀬口美子
図書館開放に訪れる小学生の皆さんに「歓迎」の意味を込めてこの短歌を掲げました。実は、その後も玄関にそのまま飾ってあるので、イングリッシュサマーキャンプの中学2年生の中にはこの短歌を見かけた人もいると思います。
『こころ』は言わずと知れた夏目漱石の名著です。高校の現代文の教科書には必ずと言っていいほどこの作品が掲載され、国語教師として私も何度生徒に教えたか数え切れません。読書に縁が薄い人でも、「こころ」は全部読んだよ、という人が少なくないのではないでしょうか。教科書にあった漱石の名著が作者の読書の扉を開いたのですね。そう考えると、小説よりも評論偏重の今の高校国語には危機感を感じます。教科書や問題集などに登場する名作の一部に触れて、そこから原作を読破…、ぜひしてほしいですね。そうして、たくさんの10代に「読書の扉」を開いてもらいたいと思います。
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明日は第58回卒業生の同窓会が学園で行われます。私も中学1年で藤組の担任をした懐かしい学年です。再会を楽しみにしています。
生徒の皆さん、17・18日、21・22日は図書館開館日です。気になる本に会いに来てくださいね。詳しくはGoogleClassroomを見てください。