椹野道流さんという作家をご存じですか?
最初、私も名字すら読めませんでした!「ふしの みちる」さんとお読みするんです。
椹野道流さんに出会ったのは、昨年夏のことでした。ツイッターに小さな猫さん「ちびすけ」の写真を載せて、その成長を日々報告してくれる呟きに、偶然出会ったのです。(すみません、「X」という名の新しい名前に私はついていけませんので、ここでは旧名の「ツイッター」でご勘弁ください)。早速、猫の写真見たさに椹野さんをフォローし、雨の中を保護したという「ちびすけ」が先輩ネコさんたちにも愛されながら日々成長していく様子を、毎日楽しみに追いました。椹野さんご自身が自分のことを「しつじ」と名乗って、ちびすけの成長を見守っていることにも、人と猫のすてきな関係だなあと思いながら…。
ツイッターでちびすけの成長を追ううちに、椹野さんが作家であることを知りました。しかも、作家以外にも人を教えるお仕事をしていらっしゃるようです。ウィキペディアで調べてみると、「医師としての専門は法医学で、大阪医科大学社会医学講座法医学教室助手の経歴がある。現在は専門学校で教壇に立つかたわら、作家活動をしている。」なんて書かれているではありませんか。すごい経歴の作家さんなんだなあ、と思いつつ、すみません、最初に読んだ著作は…、
こちら、「ちびすけ」さんの写真集でした。あまりに愛くるしいちびすけさんを我が家にも招き入れたくて、予約購入してしまいました!(2月26日のブログにこの本のことを書いています)
そして、もう一つ予約した本が4月に届きました。それが…、
エッセイ「祖母姫、ロンドンへ行く!」です。
5月の検診日のお供にして、楽しく読了しました(5月23日ブログ参照)。「祖母姫」という呼び名にふさわしい、なんとも高貴な精神の持ち主で素敵なおばあちゃまと、若かりし筆者とのイギリス旅。空港でのおばあちゃまの天真爛漫な「我儘」に始まり、ホテル滞在中も毎日毎日筆者は「祖母姫」に翻弄されます。珍道中に笑わされますが、おばあちゃまの人生訓にもジーンとさせられます。その一つが、こちらです。
そして、飛行機の客室乗務員さん、イギリスのデパートの店員さん、そして滞在した一流ホテルのたくさんのスタッフとの交流も実に魅力的で、紳士の国イギリスの「ホスピタリティ」について考えさせられることがたくさんありました、その現地の人々から、筆者は、「祖母姫」のお孫さんではなく、秘書のように思われていたようです。そんな「秘書」さんにも彼らは素晴らしいホスピタリティを発揮してくれたのでした、特に、ティム!
あまりに気に入った本であったため、ブログに書いたのはもちろんですが、かなりの人に私はこの本をお勧めして回りました。西遠の図書館でもたくさんの生徒が借りてくれたようです。勧めて回ったつけが回って、いえ、もとい、勧めて回ったご縁で、夏休み後半に「祖母姫、ロンドンへ行く!」をテーマにしたブッククラブで、オオバがお話することになってしまいました! どうしよう、椹野さんのこと、祖母姫と猫しか知らない!そんなオオバがしゃべっても薄っぺらすぎるじゃないか、と内心焦ったオオバは、遅ればせながら、彼女の小説に初トライすることにしました。シリーズ物がたくさん出ています。その中から、「最後の晩ごはん」シリーズを読んでみることにしました。
「最後の」ということは、登場人物が死んじゃうのではないだろうか…と多少の不安を感じながら手に取った第1巻「ふるさととだし巻き卵」。死ぬんじゃなくて、なんと、幽霊が登場するのでした! 意外な展開でびっくりしましたが、主人公の海里、「ばんめし屋」主人の夏神、そして、眼鏡からイギリス人に「変身」するロイドと、魅力的な登場人物と、おいしそうなお料理のおかげで、3冊一気に読み終え、今、次のを注文中です(但し、全19巻なので、読破は遠いです。笑)。
猫の執事、祖母の秘書。最初に2冊を読んで、筆者の「振舞い方」「身の置き方」にも興味を持ちましたが、今回、晩ごはんシリーズでは、ロイドの「執事」ぶりに今までの2冊との共通点が感じられて、「椹野ワールド」の魅力がじわっと私の心に押し寄せています。
ツイッターでは、最近、椹野さんのお父様が亡くなられ、ご自身もコロナ感染で大変な思いをされている中で、猫たちが椹野さんを見守っている様子が伝わってきます。椹野ワールド堪能中のオオバとしては、まずは椹野さんご自身が元気になられますようにとお祈りしながら、次の本の到着を楽しみに待ちたいと思います。そして、無事「ブッククラブ」を乗り切れますように…!