小さな白板2023 第30週

夏休みの後半、西遠では「夏期講習」「J力養成道場」が始まりました。そして、図書館の開館日もありましたので、白板を飾る日々を細々と続けています。図書館入り口、皆さん見てくださいね。

8月17日(木)
夏の風邪にひねもす臥して見る柱時計がときどきつくる直角  荻原裕幸

夏風邪で不本意ながら寝ているしかない作者の視線は、その部屋で唯一動いている柱時計を「観察」しています。針と短針が直角を作るのを、もう何回も見ているのでしょうね。動けないゆえの退屈。こういう時はなかなか時間が立ちません。動くことができれば、そして健康であれば、いろんな場所に自らが動き、興味・好奇心を満足させられるけれど…という作者のため息が聞こえてきそうです。 柱時計の針の角度を何度も何度も確かめてしまう気持ちに共感できる人もいるのではないでしょうか。 でも、体のためには休息休養も大事です。今不本意ながらも臥せっている皆さん、どうぞお大事に。

8月18日(金)
わりと本気で雲に乗りたい八月の午後がとてつもなく寂しくて  荻原裕幸

寂しさを抱える作者が「雲に乗りたい」という願望を語っています。冗談ではなく、かなり本気のようです。現状を脱出したい気持ち、そして孤独が感じられます。今週の2首は、いずれも荻原裕幸さんです。歌集 「永遠よりも少し短い日常」 には、心に沁みる短歌がたくさん収められていました。

次週21、22、24,25日も図書館開館日ですので、夏の終わりの短歌を紹介したいと思います。そうです、そろそろ夏休みも終わりに近づきました。生徒の皆さん、現実と向き合ってくださいね!