小さな白板2023 第31週

夏休み中も、図書館の開館日にはひっそり掲げている「小さな白板(ホワイトボード)」、夏の終わりを告げるそんな短歌を書きました。

8月21日(月)
かなぶんぶん金属光のいのちなり網戸いちまい開けて見てゐる    大竹蓉子

かなぶんが灯りに誘われて家の中に入ってくること、今でもたまにありますね。この前、玄関の灯りに誘われて近づいてきたかなぶんがいたので振り払って中に入ったつもりが、なんとかなぶん君は私の髪にくっついて我が家に来ちゃいました。母に言うと大騒ぎしますので、そうっと頭にくっついたかなぶん君を捕獲して、玄関内の電気を消し、玄関を開けて、「戻って来ちゃだめだよ!」と言いながらかなぶんを見送りました。虫の命、やっぱり大切にしたいのです。「金属光のいのちなり」に共感しました。

8月22日(火)
堤防に日かげはなくて人影が真夏をあきらめて揺れていた  山田航

どこまでも暑い暑い日なたが続く堤防の上を、誰かが歩いている、それを遠くから見ている人の視線で歌った短歌でしょうか。ゆらゆら揺れて見える人影が、「夏をあきらめて」と表現されるところに、何ともしようのない暑さを感じました。

8月24日(木)
思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ  俵万智

麦わら帽子のへこんだところをそのままにしておこう、と思う気持ちまで、こんな素敵な短歌になるんだなあ、と俵万智さんの作品にはいつも新鮮な驚きを感じます。何をどう見るか、視線や気づきについて自分の姿勢を考えさせられ、もっと物事をよーく見なくちゃと思います。そろそろ夏も終わりですね。

8月25日(金)
「まだ」と「もう」点滅している信号に走れ私の中の青春    松村正直

夏休みが終わるまでのカウントダウンが始まりました。「まだ」なのか「もう」なのか、生徒の皆さんの心のうちはどちらでしょう。点滅する信号を見て、走るかあきらめるか一瞬の逡巡。「走れ私の中の青春」と自分を鼓舞させている筆者に共感! あ、でも安全第一です。

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外では雷鳴がとどろいています。磐田の方向には花火が上がっていますが、雨も降り出しました。今日も明日も、夜は大気が不安定とのことです。皆様、どうぞご安全に。明日は、今年度最後の校区PTAが行われます。