本日は、土曜日の総合プログラムに加えて、中学1年生のPTA、高校2年生の親子PTA、そして、「高校部活体験イベント」がありました。お暑い中、ご来校くださいました保護者の皆様、西遠オ部活体験に参加してくださった公立中学生の皆さん、本日はありがとうございました。心より御礼申し上げます。
学園祭の準備状況は明日お伝えすることにして、今日は、今週の「小さな白板(ホワイトボード)」を振り返ります。
9月11日(月)
はなびらの無い有限花序の吾亦紅たんたんとして秋をいろどる
大竹蓉子
「吾亦紅」はワレモコウ。「有限花序」とは「花が花軸の頂部から下方へ、または中心から外側へと順次咲いていくもの」だそうです。
秋になると、穂のような 暗紅紫色の花をつけるワレモコウ。我が家の庭にも数年前まで咲いていました(写真)。この暗紅紫色の楕円の花を、作者は「有限花序の吾亦紅」と漢字で骨太に表現し、後半は平仮名を多くして「たんたんとして秋を彩る」と柔らかく単純に歌いました。ワレモコウは母の好きな花なので、母の87歳の誕生日に、この歌を書かせていただきました。
9月12日(火)~13日(水)
「道に迷うこと、行先を変えること、新しいものに手を伸ばすことを、恐れない強さを持ちなさい。自分の決断を、絶対に人のせいにしてはダメ。いいわね?」
椹野道流「最後の晩ごはん 秘された花とシフォンケーキ」より
「祖母姫、ロンドンへ行く!」の筆者 椹野道流(ふしのみちる)さんの小説「最後の晩ごはん 12 秘された花とシフォンケーキ」より、登場人物のお一人 倉持悠子さんの台詞を紹介しました。
8月16日のブログ「椹野ワールド堪能中」でもこの「最後の晩ごはん」シリーズを紹介しましたが、あれからオオバ、読書が進み、現在15巻の終盤を読んでおります。このイケメンぞろいの表紙を見ると、「え?校長は何を読んでるんだ?マンガか?」と驚かれますが…(笑)。
白板に書いたのは、12巻に登場した「もと歌のお姉さん」の女優 悠子さんが語った言葉です。この悠子さん、人生の先輩らしい名言を若い主人公たちに発します。この言葉も、いい言葉ですね。ドンと背中を押してくれるパワーがあります。
悠子さんの名言はこの他にも、いくつか書き留めてありますので、またいつか白板に登場願うかもしれません。お楽しみに。
9月14日(木)
夏ゆけばいっさい棄てよ忘れよといきなり花になる曼殊沙華
今野寿美
曼殊沙華(まんじゅしゃげ)は「彼岸花」とも言われますね。秋、ちょうど今頃、ホントに前触れもなくいきなり咲いて、私たちに「お彼岸」の到来を告げます。今週、今年初めての曼殊沙華を見つけました。
左の写真は、もう10年くらい前に学園周辺で曼殊沙華を見つけて、カメラに収めたものです。
作者には、曼殊沙華が、過去を捨てよ、忘れよ!とビシッと言っているように感じたのでしょう。「いきなり花になる」というヒガンバナの咲き方に、きっぱりとした潔さを感じたのだと思います。
【余談】「曼殊沙華」というと、山口百恵さんの♪まんじゅ―しゃか‼恋する女は~♪という「曼殊沙華(まんじゅしゃか)」(作詞 阿木 燿子 作曲 宇崎竜童)を思い出してしまう、昭和のオオバです。山口百恵さんの迫力ある歌い方が、女の情念を想わせて、ググっと来た歌でした。
6月15日(金)
ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった
五島諭
短歌だと考えずに読むと、日記みたいな一文です。でも、五七五七七のリズムを付けて読んでみると、ちゃんと短歌になっている、そんな一首。ミュージックビデオにいきなり出現した「緑鮮やかな草原」に、作者はきっと旅情を誘われたのでしょう。ストレートな表現がいいですよね。
この短歌、高校生に結構人気でした。「白板を見るのを楽しみにしてます!」という生徒に出会えたことも今週の嬉しいニュース(個人的)でした。
ここでお知らせ。「第4回短歌研究ジュニア賞」に応募してみませんか? 千葉聡先生こと「ちばさと」先生も、このジュニア賞の審査員です。
気取らなくてもいいし、難しく考え込まなくていいんです。写実的に読むことから、短歌を始めてみませんか?
「短歌研究ジュニア賞」に興味を持った方、挑戦したいという方は、ぜひ大庭のところに応募用紙がありますから、受け取りに来てくださいね。
6月16日(土)
理科室へ音楽室へグラウンドへ移動の時はいつも恋バナ
松田わこ
朝日新聞の短歌ライブラリーで「部活」「高校」といったキーワードを打ち込んだら、この歌に出会いました。朝日歌壇2014年8月4日掲載の作品です。友達とキャッキャ言いながら教室移動する光景が浮かんでくる歌ですね。西遠の皆さんも、理科室や音楽室に移動するとき、恋バナしてるのかな? それとも、今どきの10代は、推しバナ?
連休明けは天気が悪くなるようですね。暑くてもつらいけれど、雨が多いのも憂鬱…。でも、天気は横に置いといて、まずは学園祭準備に燃える西遠乙女たちです。