昨日に引き続き、9月2日の高校講堂朝会の感想をご紹介します。講堂朝会での話から、「変わろう」と決意した生徒がたくさんいました。ささやかではあっても確実な「覚醒」を、ぜひ生徒の文章の中に見つけ出してください。
自分にできる小さな一歩
- 西遠の学びでは、平和学習だけでなく、入寮での作法やマナー指導などで教わったことは、卒業後や就職のときなどに使えそうだと思いました。でも西村さんのように違う国の人を助けるような大きなことは、自分にできるかちょっとわかりません。私も将来海外に行きたいと思っていますが、人と話すのが苦手な性格なのでこうやって異文化の人と交流したりできるのか心配です。だから、今のうちからそうやって人と話せて自分の意見を交換したり、自分の学んだことを活かせるように、まずはこれからくる学園祭に向けて頑張りたいと思います。(高校1年)
- 校長先生のお話を聞いて、西村美穂さんが音楽に対する強い思いを持って音楽家になったことを知りました。好きなものを学ぶために外国に行くと決めるのは、とても勇気のいることだなと思いました。私は今まで、好きなもののために自分から行動しようとしたことがありませんでした。西村美穂さんのように好きなことを仕事にして、そして自分だけでなく音楽を必要としている人の助けにもなっていることにすごいなと感じました。私も何事にも恐れず、自分から行動できるような心を持ち、自分のためだけでなく人を助けることができるようになりたいなと思いました。(高校1年)
本気の大人から学ぶ
- 先生が述べていた「夜回り先生」のことが気になり、家に帰ってネットで検索した。私はこの人を今まで知らなかったことを後悔した。私は将来、心の問題を抱えてしまった学生に寄り添いたい、またはLGBTQ+や精神疾患、身体障害の方達の役に立ちたいという思いから、公認心理師や社会科教師を目指して勉学に励んでいる。そんな私から見ると夜回り先生は言わば私が目指す先にいる人なのだ。また、闇バイトを扱った「クローズアップ現代」を家族で見ることがあった。先生の話を聞いたときにそのときのことを思い出しながら聞いていたのだが、私の父親が言ったことを思い出した。父は私と弟の目をしっかりと見つめて「おまえたちはこういうことにならないように」と言い切った。普段はあまり重い内容の話を父とすることはなかった私にとって、記憶に残るものだった。父の言葉に背いてしまう人間にならないため、今日の「表面上での飲み込みのいい話に騙されないで」「一生懸命生きている本気の大人たちに目を向けてみて」という言葉を胸に留めておこうと思う。(高校1年)
- 校長先生はジャーナリストの新田義貴さんのことについてお話してくださいました。新田さんは世界の紛争地の人々を取材し、ウクライナ戦争の際にも取材をしました。その取材をした一人が西村さんでした。その後、西遠にも来てくださったということで、とても驚きました。愛の灯像をご覧になられたということを聞いて、西遠ならではの良い点をお見せすることができてよかったなと思います。西遠ならではの、戦争を忘れてはいけないという考えを忘れずに過ごしたいと思います。(高校1年)
- 若者が薬物に手を出してしまったり、簡単に闇バイトをしてしまったりしているというお話を伺いました。ニュースなどでよく耳にする言葉です。これらは、一度ほんのすこしでも手を出すと、やめられなくなり、そして一度きりの人生を台無しにしてしまうことだと思います。私は、絶対にそのようなことには手を出さないし、無意識にそうなってしまったりなどはないだろう、と他人事のように考え、甘い誘惑に負けたり、不注意で無意識のまま加害者になってしまったりしないようにするためには、どのような対策をすればよいかと考えたことはあまりありませんでした。しかし、校長先生の、「本気で頑張っている大人の姿を見るべき」という言葉に共感しました。楽して稼ごうとか、楽して快感を得たいだとか、そのようなことを考えてしまう若者は、本気の大人を見習うことが大切なんだなと気が付きました。(高校1年)
- 小さい頃から意見を言うことに対して抵抗感があったり、人の顔色を伺って自分のことを誰かに話すことを避けたりとそこが自分にとって悪いところであり、このお話を聞きながら直さなければならないと思っていました。しかしいくつになっても人から共感されないような自分自身の考えた意見を言う事ができず、自分の中だけにしておこう、そう塞ぎ込んで所詮自分の意見など受け入れられないとマイナスな方向に考えて辛くなるという悪循環が身についてしまっているのが現状です。直したくても私なんかに直せないと縛っているのは自分自身なのかもしれません。私は、西村さんや新田さんお二人のように、誰かに何かを伝える能力にも優れているわけでも得意なわけでもないですが、それが人のためになるなら、誰かの明日へ繋げられるのなら、この西遠生活で身につけていきたいと感じました。自分の意見と違うことは人間なのだから当たり前であり、同じような意見でも目指す目標が違っていたことなどざらにあるわけで、この世の中に生きている人たちすべてに自分を否定されるわけでは決してないのだから、少しは自分自身に自信を持っていきたいと強く思いました。今回こそは過去のように後悔しないように誠心誠意頑張りたいです。(高校2年)
西遠の学び、そして社会へ
- 私が1番驚いたのは日本から離れた異国の地で活躍する西遠の卒業生である西村美穂さんという方が国立ショパン音楽大学でピアノを学びながら講師をしているということです。西村さんはロシアによるウクライナ軍事侵攻によってポーランドに逃れてきた人の中でも音楽を学びたいという人たちを救いたいと思ったのは西遠での平和教育があったからだといっていたそうです。それは本当に素晴らしいことなのだと思いました。西遠では女性学の作文だったり平和の作文というものを書きます。この作文のテーマは学年によってそれぞれ異なりますが1つの題材に沿って自分で色々調べて考えて自分の言葉で記していきます。他にも、慰霊式が毎年執り行われたり戦争について考える機会が西遠にはあります。その西遠での学びがあったからこそ今回こうして戦争で苦しむ人たちに希望を与えるような活動をされているのだと思います。多分考えるよりも先に行動に移されていたとも考えられます。崖から落ちそうになっている人をすぐ助けに行かなきゃと思うような感覚で自身の細胞が本能的に反応されたのだと思います。今回の西村さんの勇気ある行動は今後の私達の模範となると思います。このように世界に進出しなくとも身近なことから初始めていくことが大切だと思います。困っている人を助ける、助けを必要としている人の中でも力になるというのはそんなに難しいことではないはずです。友達でも大人でもあるいは知らない人にでも自分で考えて行動することは大事なことだと思います。私はもうすぐ学校を卒業して世の中に出ていきます。自分でご飯を作り自分でお金を稼ぎ自分で生活していきます。すべて自分のせいとなります。そこで大事になってくるのは自分に責任をもつことと社会人としての自覚だと思います。それは何においてもです。その自覚や責任を社会人1年目でも、30、40年経ってもずっともち続けていきたいです。(高校3年)
真剣に考え、行動しようとしている生徒たちの感想は、とても力強く、社会を切り拓いていく明るい未来を感じました。純粋だからこそ、これから挫折することだってあると思います。でも、「失敗や屈辱を恐れないで」というヤマザキマリさんの言葉も思い出し、生徒たちには、失敗しながら進んでいく強さやたくましさを持ってほしいと思います。