2年道徳「かみさまからのおくりもの」

久しぶりに中学2年生の道徳を担当させてもらいました。今日は、絵本と他に2冊の本を持って西館4階の教室へ。持って行ったのは、次の三冊です。

「かみさまからのおくりもの」(ひぐちみちこ 作)
「未来のサイズ」「アボカドの種」(俵万智 著)

元気な中学2年生、けれども、私が絵本を読んでいる間は、真剣に聞いていてくれました。「かみさまからのおくりもの」には5人の赤ちゃんが出てきます。神様は天使を使ってこの子たちにすてきな贈り物をします。短いお話ですが、これを読んだ後、グループで「感想」と「この絵本が書かれたきっかけ」を話してもらいました。

グループ学習では、司会者をじゃんけんで決めます。司会者の進行でみんな意見を言います。そして、 司会者から指名された人が、代表でグループで出た意見を答えます。

「子どもにはみんな個性がある」「個性を大切に」「みんな違ってみんないい」「この子が大きくなったらどんな子になるんだろうと考えながら書いた絵本」「病院で働いていた作者が、赤ちゃんや家族を見て書いたんじゃないかな」などなど、想像が大きく膨らみました。

この後、作者の樋口さんがどんな思いでこの絵本を作ったのか、あとがきを読み聞かせ、続いて、息子さんが生まれた時に知人からこの本を贈られた歌人の俵万智さんが、この絵本について書いたエッセイ「かーかん はあい」の文章を紹介しました。

困ったことにですねえ、オオバはこのエッセイを読むと必ず泣いてしまうのです。黙読だって涙ぐむのに、声出して読み聞かせなどしたら、それはもう…、やっぱり最後の息子さん「たくみん」の言葉のところでぐわっと涙が出てしましました。(でも、これ、お母さんたちが読んだら、皆泣くんじゃないかな、と思います。)

お母さんはうるさい、家族がくどくて嫌になる、しつこい!などなど、反抗期の生徒たちは家族への不満を持っています。お母さんたちもまた、目を吊り上げて怒っていることが多いでしょう。でも、その親子の原点はここにある、ということを、今日は「かみさまからのおくりもの」で知らせたかったのです。誕生の頃、小さい頃、小学生の頃、どのご家族にも、いろんな時代の親子の関係があって、今があります。未来には、また違った親子関係になっていきます。

俵万智さんもまたそうでした。今、息子さんは20歳だそうです。俵さんの「未来のサイズ」「アボカドの種」そして、藤井先生が教室の本棚から見つけ出してくれた「プーさんの鼻」の3つの歌集から、「たくみん」の成長の過程、母としての俵さんのその時々の思いを、いくつかの短歌で紹介しました。

今週末の「親子で語る」で、中2生は友達や先輩のお母さんやお父さんたちとお話をします。日頃、うまく歯車がかみ合わなくて両方でプリプリしているお宅もあるでしょうが、今日の道徳や週末のプログラムで、いつもとは違う角度から親子の愛を考えてくれたら嬉しいなと思っています。

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「小さな白板」に短歌が掲載されたことを知った作者の方が、旧ツイッターで呟かれているのを知りました。私が紹介したのは、坊真由美さんという方の短歌「夏過ぎて犬が布団に飛び入った今日が私の秋の始まり」です。坊さんがそれをブログで見つけてくださいました。

西遠女子学園の校長先生、歌を紹介していただいて嬉しいです。「学校で掲示されたなんて、ボウ(犬)も天国できっと喜んでます。今年の秋は2代目の子犬が、10月2日に始めてくれました🍁」
 坊真由美さんのX(旧ツイッター)より

坊さんの愛犬ボウちゃんは今年1月に天国に旅立たれたのだそうです。ボウちゃんにとってはご主人様と過ごした最後の秋だったのですね。ボウちゃんがミニチュアシュナウザーだったことも、私にとっては10年前に死んだ愛犬シュバルトを思い出させて、不思議なご縁を感じました。(但し、ボウちゃんのような優雅さが、うちのシュバには全くなく、布団に飛びこむなんてことは一度もしてくれませんでした。彼は最後まで私たち人間の前ではのんびりくつろいでくれず、さっさと犬舎に飛びこむ男だったのでした。)

坊さんのこの短歌を紹介した10月1日のブログに「皆さん、ワンちゃんはお布団に飛び込んできましたか?お宅の秋は始まりましたか?」と書きましたが、坊さん、今年の秋の始まりをちゃんと答えてくださいました! 
2代目ワンちゃんによる「秋の始まり」は10月2日だったのですね。教えてくださって、ありがとうございます! 
坊さんの短歌、これからも紹介させてくださいませ。