西遠の大先輩の生涯に触れて

浜名湖畔、西気賀小学校の体育館に、西遠の校歌が流れました。この9月に102歳で天寿を全うされた中村千代子先生を偲んで、「千代子思い出の会」が行われたのです。

西遠を卒業して教職の道に進まれた先生は、小学校の教員となり、静岡県の女性校長の草分けとして教育界を引っ張られた大先輩です。たくさんの女性教員がその背中を追ったことでしょう。
浩宮様(現天皇陛下)が小学生時代、浜名湖を訪れて現地の小学校生活を体験された時にも、教師としてそのお世話をしたことでも知られています。

今日の「思い出の会」の会場となった西気賀小学校は、千代子先生が校長として赴任された小学校の一つです。長女の近江真由美様がスライドを使って千代子先生の102年の生涯を振り返りました。同窓生による合唱団「コールリモーネ」の皆さんが、校歌や「岡本巌先生に捧げる歌」を披露してくださいました。

とても前向きで、いつもテキパキされていたという千代子先生。「子供をみつめ、子供の伸びる力を引き出し育てていくためにも『誠実』という心の目を持っていなければならない」と考え、実践した千代子先生。まさに「未来を拓く女性」の草分けであり、「鋼の玉を真綿で包んだ女性」の典型です。

西気賀小の現校長先生や、親戚の方々、同窓会の皆様、教え子の皆様、施設で音楽会を運営された方々や、かつてテレビ番組で千代子先生を取材されたディレクターさん、そして主治医の先生まで、参加者の皆様のご挨拶や思い出話を伺いながら、大先輩のご生涯に触れて身の引き締まるような思いを感じました。きっと、千代子先生もこの体育館の中にいらっしゃって、集った方々を微笑みながら見守ってくださったのだろうと思います。
大先輩が紡いでくださった今日の「出会い」に感謝する一日となりました。