小さな白板2024 第2週

今日は、1月9日からの第2週の「小さな白板(ホワイトボード)」をお届けします。が、その前に…、なんと、生活会館の白梅が一輪咲いていましたので、まずはそちらをお届けしますね。

こんなに早く白梅が開花したのは初めてのように思います。今日は朝の冷え込みは寒かったですが、お昼の日差しがとても暖かかったので、白梅もほわんと蕾をほころばせたのでしょう。まだ大寒前ですが、嬉しい春の便りです。

さて、白板です。今週は入試もありましたので、12日(金)のボードは14日(日)まで図書館入り口に飾っておきました。では、9日(火)からご紹介します。

1月9日(火)
冬の朝を歩く 真新しい船にいかした名前をつける気分で
    宇都宮敦

凛とした冬の朝の空気の中では、背中を丸めて歩くより、「真新しい船にいかした名前をつける気分で」楽しげに、誇らしげに、堂々と歩きたいですね。冬の寒さに負けず、前向きな気持ちになれる一首です。

1月10日(水)
無防備な夜の鼻腔へとひんやりと届きくるなり蠟梅の香は
    富田睦子

この短歌、前夜の私の体験そのものの歌として、白板に紹介しました。

9日(火)の夕方、あたりがすっかり暗くなってから、本館教職員玄関の前をグラウンドに向かって歩いていくとき、ロウバイの香りが私の鼻にすうっと届いたのです。
いい匂い! 
ロウバイの黄色い花がそこにあるのを人間が忘れていても、花の香りがちゃんとその存在を教えてくれます。 「無防備な夜の鼻腔」ってすごい表現だなあと、この短歌に昨年出会ってからずっと思っていましたが、まさにこの晩、この短歌を紹介したい!と心から思い、翌朝の白板に書いたのでした。「蠟梅」の字は難しかったです(笑)。

10日(水)の朝、全校朝礼のあとで、新井先生が「ロウバイが一枝折れている」と教えてくれました。
折れた枝を校長室に持ち帰り、小さな枝に切って花瓶に飾りました。おかげさまで校長室はとてもいい香りでつつまれています。
えいっと枝を切るとき、花ばさみで薬指を挟んでしまい、二つほど黒い血豆を作りましたが…(まるでマジックでつけた点々みたいに見える血豆です)。

1月11日(木)
川べりの空では凧が泳いでて今年も長生きできますように
     橋爪志保

昨年「短歌研究」2月号で見つけて、お正月にいい短歌だなと書き留めておいた一首です。「今年も健康でありますように」ではなく「今年も長生きできますように」という言葉選びが、なんだかユーモラスで楽しいなと思います。今年も長生きいたしましょう!

1月12日(金)
入試後にやりたい事を指におり楽しみにする今が楽しい
    加藤美幸

出陣式の朝、この短歌を白板に書きました。共通テスト、そして大学受験に臨む高校3年生たちにエールを送ろうと、朝日歌壇ライブラリで短歌を探しました。先の楽しみを持って受験を楽しんでくれたら嬉しいなと思います。頑張れ、受験生たち!!
この短歌、13・14日の中学入試の間も掲げてありました。小6の皆さん、気づいてくれたかな? 入試、2日間お疲れ様でした。