小さな白板2024 第14週

中高の入学式と始業式、令和6年度の「始まり」の行事がいっぱい詰まった第14週の「小さな白板(ホワイトボード)」を振り返ります。

4月3日(水)
たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやる いつかおまえも飛んでゆくから
        俵万智

令和6年度最初の日、高校入学式に寄せて俵万智さんのこの短歌を書きました。高等学校に入学した生徒たちは、3年後「成人」し、ほとんどの生徒が親元を離れていきます。たんぽぽの綿毛のように飛んでいく日を想像しながら、親子の大事な時間を愛おしみ、そして巣立ちへの準備を親子共に進める3年間です。俵万智さんは、親の心を本当にグイっとつかみますね。今年度もたくさん紹介したいと思います。(写真、追加しました。4月10日)

4月4日(木)
いますぐに。きみをみつけたい気持ちがあって。前を向いてみました。
        初谷むい

始業式。新たな出会いがたくさん詰まった日です。前向きに過ごしましょう、の気持ちを込めて。

4月5日(木)
春という春がほころぶ公園で久々に待ち合わせをしよう
        水野葵似

春が来ると、どことなく心が華やぎますね。そんなウキウキワクワクする気持ちを「待ち合わせしよう」という提案で、大事な誰かに伝えています。公園には、桜も咲き誇っているのでしょうね。

4月6日(土)
レモンの碑に桜はなびら貼りながらゼームス坂は早や菜種梅雨
        大島範子

菜の花も咲き始め。お天気も不安定…。「菜種梅雨」の季節です。
石碑に雨で貼り付いた桜の花びら。この短歌に出てくる「レモンの碑」は、高村光太郎の「レモン哀歌」の一節が刻まれた碑です。そして、「ゼームス坂」とは、東京都品川区のJR大井町駅近くにある坂の名前で、この坂の名がついた「ゼームス坂病院」は光太郎の妻智恵子が入院し、亡くなった病院でもあるのです。この短歌に出会って、「ゼームス坂に行きたいなあ」と旅情を誘われたオオバでした。今年も、桜の花びらが貼り付く頃かしら…。

4月7日(日)
たおやかに春の朝(あした)は息づけり特別な日の始まりのごと
      北鬼江いより

なんでもない日でも、春の息づくのを感じる。開花する花、芽吹く木の葉、…春のエネルギーを感じて、作者は幸福感に包まれたのではないでしょうか。2004年4月19日(20年前ですね)に朝日歌壇に掲載された短歌です。中学入学式に寄せて、希望に満ちたこの短歌を選びました。

西遠、本日は代休日です。明日から、2年生以上は授業が始まります。1年生は、入校期指導ということで、「よい西遠の生徒になろう」の学年目標達成に向けて第一歩を踏み出します。