【訃報】書家として活躍された中村美好先生がさる4月2日に逝去されました。91歳でした。
美好先生は、西遠に学び、昭和24年から42年までの長きにわたり、西遠の事務職員として長くお勤めくださいました。 現在の事務室の礎を作った方と聞いております。
そして、書道講師として昭和55年から3年間、母校の教壇に立ってくださいました。
西遠のOG・OBの先生方が集まる「袖友会」にもご出席くださり、明るい笑顔で私にもたくさんお話をしてくださいました。このお写真は2019年の袖友会の時のものです。
南館1階に飾られた金子みすゞの詩「不思議」は、美好先生の作品です。美好先生が若い生徒の皆さんにとご寄贈くださいました。
また、美好先生は、私にも書を一つくださいました。それが、校長室の前に掲げてある額です。
「越えなばと思ひし峰に来てみればなお行く先は山路なりけり」
この短歌は、岡本巌先生も好まれた歌です。校長室内に飾られた巌先生の書とはまた違った趣で、美好先生はこの書を書かれたのです。かな書道のたおやかな美しさと空間のダイナミックさが、私はとても好きでした。
西遠のことを深く愛してくださり、陰にひなたに尽くしてくださいました。美好先生、長い間、本当にありがとうございました。美好先生のご功績に心から感謝申し上げ、謹んでご冥福をお祈り致します。