小さな白板2024 第19週 

ゴールデンウィークが終わり、体育大会もあって、なんとなく慌ただしく過ぎた第19週でした。ひっそりと(笑)図書館入り口に、今週も「小さな白板(ホワイトボード)」掲げました。今週のテーマは「家族」。若い世代から人生100年時代まで、様々な視点で詠まれた短歌を紹介しました。

5月7日(火)
姉が買うお守りはなんと縁結びはっと息を飲む母父私
      松田わこ

ゴールデンウィーク、お兄さんお姉さんが帰省して賑やかになったご家庭も多いことでしょう。久々に、家族皆でお出掛けしたおうちも多いのかな。
久しぶりで家族で出かけた先で、お姉さんがなんと縁結びのお守りを買った! これは家族にとって大ニュース、大事件! その微笑ましい衝撃が、「妹」の視点から伝わってきます。 母→父→私という順もリアリティがあって面白いですね。
松田梨子さん・わこさん姉妹の歌は、この白板でもたくさん紹介していますが、この短歌は、今年の2月11日に朝日歌壇に掲載された短歌です。初詣での「事件」かもしれませんね。

5月8日(水)
「バッチグー」と息子にLINE送りしが「死語はつつしむように」言われる
       俵 万智

今度は母の視点から。母としては、LINEという最新鋭の方法で息子に会話を試みるも、息子に「死語」の使用を注意されてしまう…。どこの家庭にも「あるある」風景かもしれません。まあ、おばさん構文が何だ、と開き直ることもできるんですが、娘や息子に直接言われるのは、母には結構痛いものなのです。
俵万智さんの短歌、共感するなあ…。

5月9日(木)
甥っ子がスマホおしえに来てくれるいそいそと炊く炊きこみご飯
      今村佳子  

スマホの先生として甥っ子が来てくれる、その嬉しさが伝わってきます。朝日歌壇2023年11月12日から。
最新機器については若い世代に聞くしかないのですが、息子や娘だと喧嘩になるので、ワンクッション置いた甥や姪はとっても貴重な存在なのです。生徒の皆さんも、誰か親戚の方にスマホの使い方を教える依頼があった時には、優しく指南してあげてくださいね。美味しい炊き込みご飯が待っているかもしれません。

5月10日(金)
「妻九十八の誕生日」と言ひ百歳は上寿司を買ひ自転車で去る
       岡田正子

上寿司買って自転車で去っていく、なんて軽やかな100歳のおじいさま! この短歌を「朝日歌壇ライブラリ」で見つけた時、微笑ましくて、かわいらしくて、人生100年時代はこうでなくっちゃと思いました。いろんな時代を超えて、苦しみも悲しみも全部背負って、自転車で軽やかに98歳の誕生日を迎えた奥様の待つ家路に着くおじいさま…。ご夫妻で健康に100歳を迎えるって、並々ならぬことだと思いますが、このおじいさまも奥様も、健康に留意されて長寿を達成されているのだなあと尊敬しました。朝日歌壇2014年9月8日より。

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【おまけ】昨日の浜松フラワーパークのバラの写真をいくつか…。自然科学部の皆さん、花のボディーペイント、お疲れ様でした!