中学講堂朝会「師と出会う」

今日は、中学講堂朝会でお話をしました。中学生は、一人一人がしっかりと校歌や「力の限り」を歌ってくれて、声も大きく、さわやかです。心洗われる思いで、講堂の舞台に立ちました。

本日のタイトルは「師と出会う」です。小学校から大学まで、先生との出会いで得たもの、今振り返るとたくさんあるのです。それを中学生にお話しようと思ったのは、やはり、中学生の皆さんに、今まで出会った先生から得たものを再確認してほしい、そして「目の前にいる先生」との出会いを大事にしてほしいと思ったからでした。

今日お話した内容を振り返ります。

師との出会い 偉人篇

最初に、ヘレンケラーとサリバン先生の出会い、そして賀茂真淵と本居宣長の「松阪の一夜」を紹介しました。ヘレンケラーは、サリバン先生と出会わなかったらどうなっていたのだろう? 本居宣長はたった一晩だけの出会いで賀茂真淵と「師と弟子」の関係になれたのはどうしてだろう? 世界の偉人として名を残す人たちの「師」との出会い、その影響…、生徒たちは熱心に耳を傾けてくれました。ヘレンケラーと本居宣長を紹介しましたが、この二つのエピソードを知らなかった人は、ぜひ自分自身で調べてください。

師との出会い オオバ編

小学校から大学まで、いろいろな先生に出会ったことで、成長できたこと・可能性を広げてもらったことを、今改めて感じています。

小学1・2年生の時、川島ぬい先生からもらった「発表する勇気」、そして「伝記との出会い」。厳しくて怖い先生でしたが、この二つは私の財産になりました。
小学5・6年生の担任だった杉山善秋先生との出会いは、一生モノの出会いでした。杉山先生と出会わなかったら、私は国語教師という道に進まなかったと思います。書くこと、読むこと、話すこと、聞くこと…本当に国語のいろはを2年間潤沢に教えていただきました。杉山先生との思い出は、以前ブログに書きましたので、こちらもお読みください。(このブログを読んで、杉山先生の教え子という方からお電話いただいたこともありました。杉山先生は本当にたくさんの人たちの「師匠」だったのです。)

西遠での6年間は、これまたたくさんの先生にお世話になりました。中1担任の山下先生は、手刷りの「私の詩集」を配ってくださいました。中2担任の中林先生は、元気あふれる先生で、クラスがとても活気づいていたことを覚えています。その年度末に結婚退職された時のお別れ会、盛り上がりました。中3の時に国語を教えてくださった乾先生には、読書ノートを綴る楽しさを教えていただきましたし、読書のレパートリーはその1年で格段に広がりました。「ベロだしチョンマ」「木かげの家の小人たち」は乾先生がいらっしゃらなかったら出会わない本だったでしょうし、私の娘と息子にも読み継がれなかったでしょう。
中3の時には、溝口先生のご指導で浜松市の弁論大会に出場しました。また、視聴覚クラブ(1~6年)・放送委員会(4・5年)に所属したことで、顧問の川合先生から、アナウンスや朗読のご指導をいただき、テレビ・ラジオ番組の制作も体験しました。お二人の先生から、話術や日本語の伝え方に関する技術や心を教わったことは、今こうして仕事をしているうえでかけがえのない財産になっています。

【ここからは講堂で話せなかったこと】私は、母校の教壇に立つという幸運に恵まれたわけですから、恩師と同じ職場に入り、教員となってからも教えを乞い続けることができたのは、何にも代えがたい幸せであったと思います。高校時代の担任だった稔先生は、国語科の大先輩教師として、たくさんのことを教えてくださいましたし、励ましてくださいました。高2の世界史の授業で「ダルタニヤン物語」(全11巻)の魅力を熱く語って、私をダルタニヤン物語読破に導いてくださった山口先生は、教員になった私に「ダルタニヤン物語の魅力を語る後継者だよ」と言ってくださいました。他にも、生徒会とはどうあるべきかを説いてくださった池ヶ谷先生、クラス経営のいろはを教えてくだった善次先生、人の辛さを思いやる大切さを教えてくださった正木先生など、枚挙にいとまがありません。すべての先生に感謝の思い出いっぱいです。→思い出語りは、ブログのあちらこちらにも。

大学時代の森江晃三先生との出会いは、学問の領域を超えて、一生の「文通相手」になってくださっていることにただただ感謝です。森江先生は、東京からわざわざ浜松へ、校長室を訪ねてくださったこともありました。その時のことは、こちらをお読みください。
先日も、連休明けにお手紙をいただき、ちょうど私も出したところだったので行き違いになってしまったのですが、一昨日返信をいただきまして、私はまた出遅れてしまいました! お返事書くのをこの週末の楽しみにします。

まとめ

皆さんも今までたくさんの「師」と出会ってきました。何を教えてもらい、どんな可能性を花開かせてもらったのか、どのような財産を与えていただいたのか、思い返してみたいですね。
そして、今、生徒の皆さんの前には「師」がたくさんいます。「師」との出会いを、財産にできるかはまた皆さん次第です。「出会い」を大切にしようという思いを忘れずに、「出会い」に積極的な姿勢で学園生活を送ってほしいと思います。