テスト期間をはさんで図書館入り口に置いた「小さな白板(ホワイトボード)」です。図書館自学組が見てくれたんじゃないかな…。
5月20日(月)
深緑の巨木聳(そび)えてしずかなり三千院の裏の細道
佐藤慶子
緑が日に日に濃くなっていく季節。京都三千院の裏の細道を想像します。巨木は無言で聳えています。その壮大さ、物言わぬがゆえの威圧。巨木への畏敬の念を感じる歌です。今、京都はオーバーツーリズムとか。三千院も賑わっていることでしょう。でも、裏の細道には、その喧騒とは違う世界が広がっているのではないでしょうか。
5月21日(火)
「それはそう」の続き気になるそれはそう「ですね」の場合「ですが」の場合
小島ゆかり
言葉って最後まで言わないで含みを持たせると、変にその先を想像して、気をもむことがあります。「それはそう」で止めてしまうと、「それはそうですね」と続けたいのか、「それはそうですが」と言いたいのか、うーん、言われた方は心穏やかではいられませんね。そういう時、皆さんならどうします?「その先を言ってください!」ってリクエストした方がいいのかも。
5月22日(水)
書くことは傷つけること 叫んでもみたかっただろう解答用紙
千葉 聡
書くことで人を傷つけてしまう、ってよく聞きます。「小説家は周囲を傷つけながら小説を書くんだ(から小説家になっちゃだめ)」と、昔、母に言われました。(母よ、心配ご無用、私に小説家の才はありませんでした。)
ちばさと先生のこの短歌、うんうんと頷きながら読み進めたら、最後は「原稿用紙」じゃなくて「解答用紙」!そうか、生徒の答案の採点をしながら作られた歌なんだなあ、と想像しました。一生懸命書いた生徒たちの答えに、ちばさと先生は生徒の悲鳴を聞いているのかもしれません。テストで苦しむ西遠生の皆さんに届け、この歌!
5月23日(木)
昨日きょう紋白蝶を見る庭にランタナ咲けり黄に紅に
上川原 緑
モンシロチョウ(紋白蝶って漢字で書くと、なんだかとても由緒正しいチョウチョのように感じます)が舞い飛ぶのをちょうど見たばかりだったし、ランタナの花がそこここに咲いているのも見かけるようになったので、この短歌を紹介しました。ランタナ、この花です。
ランタナは大変繁茂力の強い植物です。美しいけれど、増えすぎに注意です…。
5月24日(金)
赦されて楓の下のドクダミは背を高くする白を灯して
富田睦子
日かげを好むドクダミ、楓の下で育つことを赦(ゆる)されて伸びているのですね。その白は、とても美しい白です。白を灯す、という表現、すてきだなあ。
西遠にも今、各所にドクダミが咲いています。楓の下にも、フタバアオイの横にも…。
5月25日(土)
「ちょっと漕いでいこうか?」「いいね」校庭のブランコに乗る投票終えて
太田千鶴子
明日は県知事選の投票日、という土曜日にこの短歌を載せました。投票所って、小学校とか公会堂などが会場になりますね。昔漕いだブランコ、久しぶりに乗ってみようか、という会話も、地元の投票所ならではかもしれません。
私は、浜松に住民票があった娘に投票日には帰省するように言って、親子で投票所に行き、投票を終えた後、近所の天ぷら屋さんで天ぷら買って帰る、というのが、投票日のすてきなルーティンでした。娘20代前半の懐かしい思い出です。
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【おまけ1】学園のジャカランダが咲きました!
【おまけ2】今日の野鳥:イソヒヨドリ 西館屋上のアンテナにとまって、きれいな声でさえずっていました。