小さな白板2024 第25週

6月17日が代休日でしたので、第25週は6月18日から始まりました。先週の「小さな白板」ラインナップをどうぞ。

6月18日(火)
もう二度と、戦争なんか起こすまい、もう二度と、武器なんか持つまい、子孫の代までこの体験を伝えよう。
      手塚治虫

週明けから「戦争」をテーマにしたのは、6月18日が「浜松大空襲の日」だったからです。1945年6月18日の未明、浜松をたくさんのB29が襲いました。総務省のHPによると、「6月18日午前0時10分からの浜松大空襲ではB29約100機の大編隊が全市を爆撃、本市は実に65,000発という莫大な数の焼夷弾によって焼き尽くされ、1万5,000余戸の家屋が全焼、1,717人の死者を出すという最も大きな被害を被ったのである。」とあります。その日から79年、私は、生徒代表と共に、「戦災死者慰霊祭」に出席しました。
今年6月18日の白板には、漫画家 手塚治虫さんの言葉を掲載。これは、2024年5月3日の朝日新聞「天声人語」で紹介された言葉です。この言葉の重みをもう一度噛みしめたいと思います。

6月19日(水)
「公園で魚捕ってはいけません」お構いなしに漁るアオサギ
       太田千鶴子

アオサギに、看板の文字は通じませんね。アオサギに食べられてしまう魚たちも災難です。西遠にも時々アオサギが飛来し、講堂と本館の間の池の鯉が狙われます。そんな時、西遠にはアオサギを追い払ってくれるカラスがいます。きっと池は彼らの縄張りなんでしょう。とかく人に嫌われがちなカラスですが、私は(そして池の魚たちもきっと)カラスに感謝しています。

6月20日(木)
ゴミを拾うことは明日を拾うことぼくだけ拾う教室のゴミ
         大松達知

教室のごみを拾いながら「ゴミを拾うことは明日を拾うこと」と呪文のように唱えている作者は、先生です。生徒にその気持ちが届いてほしいなあと切実に思いました。小さなごみを放置することは、生活の乱れにつながることを、先生方はよく知っています。黙々と拾う先生の姿に、きっと生徒も気が付くと信じています。

6月21日(金)
舗道に雨畦道(あぜみち)に雨浜に雨それぞれ違う雨の色して
       横山由紀子

雨の多かった週でしたね。雨にもいろいろな色や表情があることを、この短歌が教えてくれます。
雨の日にこの短歌を紹介しようと思い、朝から雨だったこの日、白板に書きました。でも、この日の夕方には雨はすっかり上がっていました。白板を片付けながら、やまない雨はないんだな、と感慨に耽ったオオバでした。

6月22日(土)
どれほどの叫び、無念、苦しみがあったか 曇り日の摩文仁(まぶに)の丘
        千葉聡

今日23日は、沖縄慰霊の日。今年は慰霊の日が日曜でしたので、前日に沖縄の短歌を載せようと思いました。ちばさと先生は、高校の修学旅行で沖縄を訪れました。修学旅行の引率の大変さや生徒の魅力発見の歌もたくさんありましたが、平和祈念公園のある摩文仁の丘では、先生という立場を離れ、一人の人間としてこの歌を詠んだのではないだろうかと思いました。
そして、今日、沖縄全戦没者追悼式では、「平和の詩」として、宮古高校3年生の仲間友佑さんの詩「これから」が本人の朗読で紹介されました。力強い詩でした。→こちら(NHK)で視聴できます。
若者のこの訴えを、生徒の皆さんにも是非届けたいと、今年も強く思いました。皆さんも仲間さんの詩にぜひ耳を傾けてください。