小さな白板2024 第33,34週

夏休み中、図書館開館日に設置している「小さな白板(ホワイトボード)」、13日(33週)、20&22日(34週)を振り返ります。

8月13日(火) 第59回卒業生同窓会の日

子どもというのは基本的に生真面目で真摯で誠実で前向きな人たちなので、子どもの本も、生真面目で真摯なものに向いているのです。
      赤木かん子

ちょうど読み始めた本『明日も生きていこうと思える絵本101』(赤木かん子著)の前書きにこの文を見つけ、『子どもの本』の大切さを心にとどめようと思い、この一文を書きました。この日来校した卒業生の中には、子育てに奮闘中の人も多くいました。そんな皆さんに届くといいなと思い、選んだ言葉です。
※夏休みボケか、暑さのせいか、ホワイドボードの写真を撮り忘れました(失敗、失敗)。

8月20日(火)
空があり大地に土と草があり陽光のある小さな自由
      郷 隼人

朝日歌壇の常連さんである郷隼人さんの短歌を白板で紹介するのは2回目です。今年の5月30日(木)、「 鷗飛ぶ監獄の空晴れ渡りサッチモの歌を口遊むかな」の短歌を紹介しました。この歌で分かるように、作者の郷隼人さんは監獄の中にいます。朝日新聞の2021年11月の記事には、「郷隼人はペンネーム。鹿児島県出身で1974年、24歳で渡米した。殺人罪で終身刑となり85年に収監され、今もカリフォルニア州で服役している。刑務所の中で歌を詠み、96年に朝日歌壇に初入選して以来、330首を超す短歌が掲載された。」と書かれています。この短歌は1999年6月13日に朝日歌壇に掲載された作品です。空と大地と土と草。こんなに自然豊かな中にいられるのはとっても贅沢じゃないかと思うのが普通ですが、彼は監獄にいる…。「小さな自由」という言葉に、彼の境遇と思いが詰まっています。

朝日歌壇ライブラリから、彼の短歌をいくつか紹介しましょう。

  • コオロギがたった一匹で夜を通し鳴きて囚徒ら寝不足になり(2017年9月25日)
  • 天国が見えそうな程晴れ渡る加州の空は残酷である(2016年8月22日)
  • 母の日に〈母の心(マザーズハート)の草〉と呼ぶ薺(なずな)の押し花カード贈りぬ(2008年5月19日)
  • 獄窓(まど)に聴く夜汽車が次第に遠のけば望郷の念沸々と湧く(2002年6月17日)

8月22日(木)
平和祈念資料館を出て空を見て空へ一礼する少女あり
      千葉 聡

ちばさと先生のこの短歌に出会い、「平和を祈る姿」について考えさせられました。この少女は、戦争の惨禍を祈念資料館で見たのち、空をどんな思いで見つめたのでしょうか。資料館の中で自問自答を繰り返したであろう、純粋な少女の思いが、空への一礼という形になったのだと思うと、その姿の美しさを私もまた心に刻みたくなりました。

10月末に九州研修旅行で長崎を訪れる高校2年生たちにも、友達との旅行であっても、戦争や平和について自分自身と心の対話ができる瞬間をきちんと持ってもらいたいと切に願っています。

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中学バレー部は、福井県で行われた全中(全国大会)の予選リーグに挑みました。善戦虚しく2敗となり、予選リーグ敗退となりました。全国大会出場をわがことのように喜んでくださった皆様、応援をありがとうございました。バレー部保護者の皆様の熱いサポートにも心より感謝申し上げます。
バレー部の皆さん、お疲れ様でした‼ 諦めない気持ちをもって練習を重ね、全国出場の夢をかなえたこと、誇りに思ってくださいね。夏休み明けのご報告を楽しみにしています。