小さな白板2024 第35週

8月最終週の「小さな白板(ホワイトボード)」をどうぞ。

8月27日(火)
ホロコーストはガス室から始まったのではなく、はるか以前に ヘイトスピーチ から始まったのです…言葉は人を殺すことを、私たちは心に留めておかなければなりません。言葉は銃弾のように人を殺すのです。
     アダマ・ディエン

8月はどうしても「平和」についての歌や言葉が多くなります。
この言葉の主であるアダマ・ディエン(Adama Dieng)氏は、元国連ジェノサイド防止担当特別顧問で、スーダンの人権の専門家として活動ししています。「言葉」の重みを考えさせる言葉です。「ペンは剣よりも強し」と言いますが、使い方を間違えば、人を殺す「銃弾」にもなってしまう…。「言葉」という力を持つためには、その言葉をどう使うかを常に判断する責任も人間には絶対に必要だと改めて思いました。
「ヘイト・スピーチを止めよう」と訴えるアダマ・ディエン氏の言葉に、耳を傾けてください。

ちょうど、この翌日の28日、「虎に翼」で、こんなセリフがありました。授業はじめの式でも紹介しましたが、アダマ氏の言葉と併せて心に留めたいものです(8月29日のブログより再掲)。

平等ってのはさ、俺達みたいなやつにとって、確かにそんなところがある。でも、そのいら立ちを向ける時、お前、〝弱そうな相手”を選んでいないか? この先、仕事をして、どんな人生を送ろうと、〝弱そうな相手”に怒りを向けるのは、何にも得がない。おまえ自身が平等な社会を拒む邪魔者になる。   
 8月28日放送「虎に翼」より小橋の台詞(脚本 吉田恵里香)

8月29日(木)
目を瞑り一分間を祈るとき皆が小さき平和像なり
      小池弘実

今年の歌会始から。京都府の小池弘実さん(21)の作品です。
1分間の黙祷をするとき、人は「小さき平和像」になれるのですね。
ずっと以前のことですが、原爆投下の時間のサイレンが鳴り響いた時、街行く人の中で黙祷しようかどうしようか迷ったことがありました。その時、立ち止まって黙祷できなかったことを今も後悔しています。これからは、恥じらうことなく、自ら進んで一分間の「小さき平和像」になろうと、この短歌に出会って決意を新たにしました。皆さんもぜひ…。

8月30日(金)
東大のことしの入試問題に「アイマイ」を漢字で書かせるがあり
       小池 光

授業も始まりましたので、こんな短歌を載せてみました。
下校時、高校3年生が白板前にたたずんでいたので、「アイマイって書ける?」と聞いてみたところ、「書けます!」と胸を張って答えてくれました。よしよし!

写真のハシビロコウ君は、昨年度のある卒業生が「大庭先生にも相棒を」と言ってプレゼントしてくれた「筆入れ」です。でも、筆入れにするとなんだか痛々しいので、毎日、校長室に飾って顔を合わせています。Tさん、改めてありがとうね!

8月31日(土)
西班牙はイスパニアと読むそれならば葡萄牙はどこか誰ぞ答へよ
      小池 光

小池光さんの短歌を2日連続で。
皆さん、葡萄牙って、読めますか? 誰ぞ答えてください。

答えは、ポルトガルです‼

今日から9月。明日は実力テスト・学力判定試験です。昨日、「高校3年生はどうして実力テストがないんですかぁ?」と不満そうに言う中学生がいました。なぜ高3は実力テストがないのでしょうか。「誰ぞ答へよ」