夏休みが明けて9月になり、いつ来るか分からぬ台風襲来を心配しながら実力&判定テストができるのかドキドキして迎えた第36週でした。台風は熱帯低気圧になりましたが、雨の被害が各地に出た週でもありました。皆様、ご無事だったでしょうか。
テスト、イングリッシュサマーキャンプ、オープンスクールと、盛りだくさんだった一週間を振り返ります。
9月2日(月)
一粒の命を思う 田植えせし米の実りの便りを聞けば
俵 万智
9月の白板は俵万智さんからスタートしました。お米の実りの便りが聞かれる季節。スーパーにお米がない!というニュースに翻弄されている私たちですが、作る人のご苦労を想い、無事にお米が収穫できることの奇跡を想い、そのうえで、一粒一粒の命を大事に考えていたいですね。
9月3日(火)
降る雨の夜の路面にうつりたる信号の赤を踏みたくて踏む
内山晶太
雨ばかり降った先週を思いながら、この短歌を白板に書きました。帰りの横断歩道で、信号の赤い色が濡れた路面に映るのを見た人もいるんじゃないかな、と思って…。雨は憂鬱だし、夜の雨は気持ちも落ちるものですが、水たまりごと赤い色を踏みつけたいという衝動にかられる気持ちも分かります。パシャンという音が聞こえてきそうですね。
9月4日(水)
天球に秋は来たりぬ教室の大爆笑も天球のなか
齋藤芳生
天高く馬肥ゆる秋。天が高い秋は、自分たちのいる空間を「天球」と意識する季節かもしれませんね。教室で起こる大爆笑さえ、宇宙の中の出来事。大きな大きな、見えないものに包まれている私たちなのです。
9月5日(木)
予想ばかりしてどうするの。「どうなるか」は「どうするか」で変わっていく。
佐高 信
図書館の本「きみを変える50の名言」3期より、評論家の佐高信さんの言葉を紹介しました。どうなるか、じゃなくて、どうするか。意志を持って未来を拓いていかなくちゃ! この白板に、教育実習生が「名言です!」と唸っていました。身にしみること、あなたにもありますか?
9月6日(金)
ひとしづく醤油の味のまじれるを感じる秋の山下達郎
山田富士郎
「短歌研究」10月号は、「短歌研究賞」の発表豪でもありました。何度か紹介した坂井修一さんの「鴎外守」と並んで、山田富士郎さんの「UFO」が「第60回短歌研究賞」に選ばれました。山田さんの受賞作品には、天王星・水星まなど惑星が出てきたり、クラシックからニューミュージックまで幅広い音楽が出てきたりして、短歌って本当にいろんな対象を歌えるのだなあと思わせるものがありました(もちろん、UFOを歌ったものもあります)。その中から、山下達郎の名が出てくる短歌も珍しいなと思ってこの短歌を紹介しました。からりとした西海岸風の音楽を奏でる山下さんですが、ひとしずくの醬油味を感じる、というのも、山下さんが日本人だからでしょうか。それとも、秋という季節だからなのででしょうか。達郎ファンのご意見聞きたし。
9月7日(土)
いま脚本家として10人の側を書くとき、「私はあなたを『透明な存在』にしないし、あなたが幸せになってほしいと願っている」という思いを込めています。
吉田恵里香
「虎に翼」の脚本家 吉田恵里香さんは、私にとって今いちばん気になる脚本家さんです。彼女のドラマには、「透明な存在」がいない…。確かに、「虎に翼」の登場人物たちは、出しっぱなしではありませんね。主人公だけじゃなく、登場人物が幸せになっていく、ドラマ作りにはそういうところも大切なんじゃないかな、と共感しました。
「虎に翼」のシナリオ本、予約してしまったことも告白しておきます…。