9月17日から20日の「小さな白板(ホワイトボード)」を振り返ります。今週は、動植物の短歌に注目してみました。
9月17日(火)
「熊に注意」高速道の貼り紙は熊にも見える場所に貼るべし
永井一喜
この短歌と出会ったのは、2022年7月24日の朝日新聞でした。まだ、クマの被害が全国ニュースになる前のことでした。高速道路の貼り紙を人間に見えるように書いても相手のクマにはわからないよ、という主張は当然のことながら、クマとの共存をどうしたら図れるのか問うているように見えました。あれから2年、クマは人里に降りてきて人を襲うことも多くなりました。食料事情、温暖化、放置林など、様々な要因があるようですが、どうやったら人も動物も植物もそれぞれに害を与えず生きていけるのか、考えさせられます。
9月18日(水)
猫は庭をみる針の目に ゆめのやうなるいきものとなりて
葛原妙子
クマの次はネコです。
猫を詠んだ短歌はたくさんありますが、この短歌はとても有名な短歌です。「ゆめのやうなるいきもの」、確かに猫はって人の気も知らず独立独歩で、悠々自適…。夢のような生きものとはうまい表現だなあ、と感嘆しました。皆さんは、猫好きですか?
9月19日(木)
絨毯(じゅうたん)に顎(あご)乗せ眠るプードルの小さく振れる尾はどんな夢
堀 利男
猫の次は犬!と考えて、この日は犬を歌った短歌を掲げました。幸せそうなワンちゃんが目に浮かびますね。気づいたら、9月19日は、わが愛犬リッティの命日でした。真っ白い雑種のリッティは、娘が小学1年、息子がまだ保育園の時代に飼い始めた犬です。
犬を飼うにあたって、「星の王子さま」を家族で読みました。知り合うこと、世界中で大切な一人と一匹になる意味を再確認して、飼ったリッティ。彼が我が家に来た途端に娘が喘息の発作を起こして、飼うのを断念すべきかと家族会議になりましたが、娘が「スイミングに通って体を強くするから、飼って!」と涙ながらに懇願したことを覚えています。
因みに、リッティという名前は、ちょうどJリーグが開幕した年だったので、彼が家に来る日に得点したジェフのリトバルスキーさんからいただきました。
リッティが一番気を使って、大事な存在だとしていたのは娘でした。息子はリッティにとって相棒か子分だったように思います。
よく脱走してしまい、探しに行くと、その日散歩をしたルートで私を待ってる、なんてことがよくありました。
てんかんの発作を起こして病院通いも長かったですが、お医者さんにも「こんな従順な子はいない」と言われるほど優等生でした。何せ、自分から診察台に乗せてと抱っこをせがむ子でしたから。
リッティが死んだとき、息子は中学生になっていました。彼は「星の王子さま」の読書感想文を書きましたが、内容はほぼリッティの思い出でしたっけ。世界でたった一人と一匹のかけがえのない関係になっていたのですね。
・・・偶然犬の短歌を掲げた日が愛犬の命日だったということで、思い出語り、お許しください!
9月20日(金)
きえるだらうこれらの朱色ひがんばな神が写真に撮ったらすぐに
渡辺松男
彼岸花が咲く季節です。彼岸花って、どこから来るんだろう、というつも思います。9月のこの時期に、スッと伸びて、パッと咲いて、さっと姿を消す幻みたいな花。気高さと儚さを感じさせる花ですね。神様が写真を撮ったらすぐに消えてしまうのだろうという作者の発想に、ハッとさせられました。
ちょうど、校長室の日めくりが、19日は彼岸花の写真、21日が朱色を取り上げていました。
彼岸花の赤い色が「思色(おもいいろ)」というのにはこれまた驚きました。色の名前も素敵ですね。
今年はあまりの暑さに、まだ彼岸花が咲かない!という便りも聞きます。私もまだ彼岸花を見かけていません。
閏年の今年は、今日22日が「秋分の日」です。暑さ寒さも彼岸までと言いますが、果たして明日から涼しくなるのでしょうか。
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明日は、西遠を会場に『TEDxHamamatsu2024』が開催されます。今日はリハーサルが行われているそうです。明日、私も参加します。8名のスピーカーの皆さんのプレゼンを聴いたり、たくさんの方々と出会ったりすることが、今から本当に楽しみです。西遠生も参加したり、ボランティアスタッフとして縁の下の力持ちになったりします。素晴らしい1日になりますように。