今日10月11日は、国際ガールズデーです。世界中の女の子に幸せを!
9月30日から学園祭をはさんで10月7日までの「小さな白板(ホワイトボード)」を振り返ります。学園祭当日は図書館入り口は模擬店開催地でありましたので、白板は飾りませんでした。学園祭の準備期間(近づく足音…)と片づけの日(前期最後の日!)の白板をどうぞ。
9月30日(月)
生真面目に塗られたものほど嘘っぽい ベニヤは動かぬ青空になる
千葉聡
文化祭の季節は、大きなベニヤや段ボールに描かれた絵が人目をひくことになります。今年、西遠のHR展でひたすら塗っていたのは、3年菊組の皆さんですね。段ボールを組み立てていくつもいくつも六角形を作り、中を黄色に塗る地道な作業。黄色い部屋を作り上げた生徒たち。文化祭・学園祭の季節には、全国の高校生芸術家たちが大活躍するのですね。その作業を見守る先生の心の声が聞こえてきそうな短歌です。
10月1日(火)
パスポートとって少し大人になってオーストラリアが近づいてくる
酒井那菜
10月を迎えた学園には、素敵なお客様がいらっしゃいました。オーストラリアの提携校「デーンバンク」から29名の生徒の皆さんと5名の先生方が3日間西遠に滞在したのです。オーストラリアを扱った短歌はないかな、と朝日歌壇ライブラリを検索し、この短歌に出会いました。
中3の皆さん、パスポートは届いていますか?大人になった気分ですか? 朝日歌壇2013年1月14日に掲載されたこの短歌の作者と同じように感じているのではないでしょうか。海外旅行デビューへのワクワク感が感じられる短歌です。
10月2日(水)
ひと滴(しづく)の檸檬(れもん)に紅茶は色変(か)へてはるかなり中和滴定曲線
永田和宏
ちょうど、月曜の高2「文学国語」の授業で永田和宏さんの文章を読みました。その時、「今週、永田さんの短歌を白板で紹介するから見てね!」と予告。高2菫組の皆さんはちゃんと白板を見てくれたかしら??
この短歌は、今年の歌会始の選者の歌です。今年のお題は「和」。細胞生物学者の永田先生は、「平和」でも「和む」でも「和歌」でもなく。「中和」で来たのですね。レモンティを科学的に見た歌です。耳なじみのない「中和滴定曲線」ですが、ウィキペディアの答えは「酸と塩基の中和滴定における、水素イオン指数変化をグラフにしたもの」でした。
10月4日(金)
蝶を曳く蟻さながらに段ボールを引き摺る生徒文化祭来る
愛川弘文
三好達治の「蟻が/蝶の羽をひいて行く/ああ/ヨットのやうだ」を彷彿とさせる短歌ですね。 朝日歌壇1998年10月5日掲載の短歌です。 作者の前にいるのは、蟻(あり)ではなく、文化祭の準備に走り回る生徒。段ボールを引き摺る生徒の姿、目に浮かびます。西遠の学園祭準備でも、衝立を運ぶ生徒たちの姿がいつもたくましくて頼もしいです。
10月4日(金)
百五十人分お抹茶の裏ごしをしました学園祭の前日
山添葵
学園祭前日の白板には、山添葵さんの一首を。小学生の頃から朝日歌壇の常連だった葵さんが、中学生になって茶道部員として学園祭を経験。その忙しさと充実ぶりが伝わってきます。一人一人の地味な努力の積み重ねが、学園祭を成功させるのです。西遠の生徒の皆さんならきっと共感できるはずです。
10月7日(月)
この指に止まらなかった赤蜻蛉わたしは次の季節へ行くね
赤松みなみ
学園祭も終わり、この日が前期終業式。次の季節に歩んでいく様子が、この日の西遠にピッタリだなあと思い、この短歌を書きました。2022年11月13日朝日歌壇掲載の短歌です。赤蜻蛉(あかとんぼ)に別れを告げて、私は次の季節へと歩んでいく…。秋から冬へと季節が動いていく今、今ようやく彼岸花が咲いている浜松ですが、そろそろ金木犀が香る頃でしょうか。