生徒総会から何を学ぶか

今日は、1・2時間目に中学・高校の役員認証式と後期生徒総会がありました。いろいろ考えさせられた2時間でした。

1時間目は、中学の役員認証式、続いて生徒総会です。任命書を生徒会長に手渡した後、私は壇上から「生徒会活動の意味」「役員の意識、会員の意識」について短く話しました。中学生がその意識をもって生徒総会を作り上げてくれるといいなと願いながら。

中学生徒総会では、前期の活動報告と後期の方針案の説明がスクリーンを使って行われました。

ほぼ前期と同じ活動をしていくんだなと思いながら私も説明を聞きましたが、「これはどうなっているんだろう?」「これはやらないの?」と思うところもちらほらありました。また、前期の報告の中で、それこそ寅ちゃんふうにいうと「はて?」と思うところも。

その中で、生活執行が「自主規制改正」について踏み込んだ方針説明をしたことが大変興味深く感じられました。前期に行った自主規制アンケートで出た意見を踏まえて、改正ありきではなく、まず「規則」と「自主規制」の違いを理解するなど、情報を的確に理解すべきであるということ、そして、一人一人が校訓の理想を保っているか自分たちの生活を見直そうという趣旨の発言をしたことが印象的でした。

質疑応答では、生徒会会員から8つの質問が出ました。中3だけでなく中1,2年生も手を挙げたところがとても頼もしかったです。

募金の期間や、イベントの告知時期について、三角巾の貸し出しでは返却率が低いことへの対策についてなど、興味深い質問が続きました。事前告知などありませんから、答える執行部も、まさに真剣勝負です。鋭い質問が出れば出るほど、執行部の取り組み姿勢や把握力が試されます。
8つの質問に対して、建設的・具体的な答えはなかなか得られませんでしたが、それぞれの執行が質問してくれた生徒へのリスペクトをもって、後期の活動を誠実に進めることを願います。
自主規制について、改正が認められない理由は誰が教えてくれるのか、という質問がありましたが、「委員会での話し合いの内容は委員がクラスで報告する」と自主規制改正委員会のシステムに言及したのはとても良かったですね。

全体的には、後期活動方針を承認する生徒総会ですから、執行部は活動内容だけの紹介ではなく、執行ごとの活動の指針や意図を述べられると良かったなと思いました。
生徒総会は、生徒の自治の時間ですから、教員は見守る立場にあります。会員の意識がこれからも順調に育ち、そこから執行部の活動内容も向上していく、という形で、生徒会活動がレベルアップしていくことを祈っています。

2時間目は高校の生徒総会です。認証式の最後に「生徒会活動で、エージェンシーを育もう」という呼びかけをし、私は総会を見守りました。

認証式から総会への舞台転換がのんびりしていたため、総会のスタート時点で既に「時間内に終わるのか」と心配が頭をよぎりましたが、案の定、質疑応答の質問募集中にチャイムが鳴ってしまいました。良い質問がたくさん出ましたが、質問に答える時間がなく、 そのまま承認の起立を求めたことや、その後、ヘルプナプキンについての説明があるとのことだったのに聞けなかったこと、顧問のお話もカットされてしまったことなど、盛りだくさんの総会だからこそ出来おおせなかったのは残念でした。
校長として時間オーバーについて指摘したのは、生徒の自治を尊重しない行為であったことは重々承知していますが、会場の外には親子PTA開催を待つ保護者の皆さん、中3生が待っていたこともあり、やむなく発言しました。
執行部の丁寧な方針説明も大事ですが、一つ一つの執行の持ち時間を事前に決めてリハーサルをしておくこと、司会や執行部長が臨機応変に対応することなど、課題が見えた生徒総会でしたね。 しかし、それは失望ではありません。これからの期待につながります。執行部がこうした課題を克服するのを私は楽しみにしています。

尚、高校生徒総会で会員からの質問は9つ。この中で、高校3年生の先輩たちが愛ある質問をしてくれたことが印象的でした。「規則を守っていない生徒がいるという状況に対し、打開策は?」「中高の自主規制の違いについて中学生徒会と話し合う予定はあるか?」「講堂での私語が目立つが呼びかけは?」 「西遠の魅力を知らせるための公式SNS発信の頻度は?」・・・これらの質問は、壇上の執行部に宛てただけではなく、下級生全員への呼びかけも含まれていたように思います。 さあ、これらの質問や呼びかけに、今後、執行部をはじめ高校生はどう応えていくべきでしょうか。

このブログに「生徒総会から何を学ぶか」というタイトルを私は付けました。「学園祭で何を学ぶか」とのタイトルで毎年9月に講堂朝会を行っていますが、何かを学び、成長できる行事は、学園祭だけではないということです。今日の生徒総会で中学生、高校生がそれぞれ学べたことはたくさんあるはず。生徒総会は、快適な「コンフォートゾーン」ではなく、挑戦する「ラーニングゾーン」にあるからです。
「青春の道場」西遠での2000日の修行は、まさに学ぶことだらけ。それを前向きにとらえ、挑戦する姿勢を持ち続けてくれることを西遠生たちに強く望みます。