小さな白板2024 第43週

10月から11月へ。テストと研修旅行の第43週を振り返ります。

10月28日(月)
マウンテンゴリラに似てる九州は声を掛ければ振り向くかたち
        久野茂樹

九州研修旅行に翌日の早朝巣立つ高校2年生への思いを込めて、九州をテーマにした短歌を「朝日歌壇ライブラリ」で探しました。九州がゴリラのかたち?と思いましたが、言われてみると、確かに…笑。急に親しみ深い存在になったような気持ちです。高2の皆さん、九州はどうでしたか?

10月29日(火)
つよいかぜ 完全に目を閉じないでいるのは進みたいからなんだ
       岡本真帆

午前中、雨と風がひどかった日でした。強い風にも完全に目を閉じない理由を、自分自身に説明しているかのように感じられるこの短歌。頑張れ、私!という声までも聞こえてきそうです。「あと一歩だけ 前に進もう」を思い出しますね。

10月30日(水)
孤独とは佳きものですね珈琲にチョコ溶けるまでの匙をながめる
        石畑由紀子

孤独もまた佳し。一人でいるからこそ、コーヒーにチョコが溶けていくまでの時間、スプーンをじっと見ていられるのです。一人ぼっちを悲しんだり嘆いたりするのではなく、誰にも左右されない時間を静かに慈しむ作者。この短歌に出会ったとき、一人旅の楽しさをふと思い出しました。

10月31日(木)
四季とふは待たれる春に急な夏しのび来る秋気がつけば冬
       織立敏博

四季の移り変わりを31音で余すところなく説明しているこの短歌に感嘆。春を待ち、急に夏が来て、そっと秋が来て、気づくと冬。そうして1年が巡り、気づくと次の年に。年月の経つのは本当に早い…と焦りも感じますね。10月最後の日にこの短歌を選びました。今年もあと2か月を残すのみです。

11月1日(金)
がまくんとかえるくんとの友情を読みて小二の教室(へや)あたたかし
       藤井恵子

がまくんとかえるくんはアーノルド・ローベルの絵本「ふたりはともだち」シリーズの主人公たちです。このシリーズから、小学2年国語の教科書に「お手紙」という物語が掲載されています。その内容を学習した2年生の子どもたちはがまくんとかえるくんの友情に感動しているのですね。小学2年生の素直な心と、国語の授業の雰囲気が伝わってくる短歌です。
さて、只今読書週間です。読書週間は11月9日まで。皆さんも一冊本を読みませんか?懐かしい絵本なども手に取りたいですね。