1 詩のフレーズを思い出す
学園の図書館から、「図書」という月刊誌が国語科の教員に回覧されます。11月号が、今日、私の机上に回ってきました。
いつも真面目に読んでいない(すみません!)オオバですが、パッと開いたページのタイトルにやられました。
「私よ、母の車椅子を押せ」
原田宗典さんのエッセイでした。瞬時に、高校時代に教わった三好達治の詩「乳母車」の冒頭が浮かびました。2022年のブログ「文学雑感」にも書いた詩です。その時は、ドラマ「ミステリと言う勿れ」に登場したことで、懐かしさを感じて綴ったのでした。今回は、原田さんのエッセイのタイトルを見て、「母よ 私の乳母車を押せ」という1行が頭に浮かんだのでした。この詩を学んだのは、確か扇形校舎の教室でした。あの時、机を並べてこの詩を共に味わった級友たちは皆元気でいるでしょうか。
原田さんのエッセイでは、お母様の通院の際にふと思い浮かんだ「母よ 私の乳母車を押せ」のフレーズについて、母の診察が終わるのを待つ間に検索し、三好達治にたどり着いた筆者が、この詩と出会ってしばし詩の世界に没入したという実体験が紹介されていました。この詩に出会ったおかげで、病院からの帰り道、「私よ 母の車椅子を押せ」を心の中で繰り返しながら、誰かに見守られているような気持ちで歩んだことが描かれています。
読んだ私までうっとりするようなエッセイでした。名作といわれる詩の一節は、フッと思い浮かぶと、幸せな気持ち、あたたかい気持ちになれるものですね。だから私は、10代の間にたくさんの詩に出会ってほしいと心から思っているのです。
SDカードを忘れた!
カメラのSDカードを家に置いてきてしまったことがわかったのは、目の前の桜の枝にメジロが留まった時でした。カメラを構えてシャッターに手を…と思ったら、画面に大きく「SDカードが入っていません」の字がまるで私を冷笑するように出ていました。があん。
しばらくメジロさんと会話をしました。といっても、こちらからの一方通行ですが…。「こんにちは」「寒いね」「せっかくあなたが来たのに、カメラにカード入れ忘れちゃったよ。残念!」-河津桜の木の下の独り言です。
校長室に戻り、使い切ったSDカードを取り出し、少し写真を削除して、ワンモアチャンス! が、河津桜にメジロはもういませんでした。そんなに長く同じところにいるわけないですよね。でも、別の方角で何かが動く気配がしました。そちらを見ると、…生活会館の前の梅の枝にいました! いてくれました! ありがとう、メジロさん。
別の場所の桜の木の周りには、なんとスズメとシジュウカラとカワラヒワがわんさかいました。
まず、スズメ! ♪すずめがサンバ♪ですね。
そして、同じ木にシジュウカラも来ていました。カワラヒワは、飛び立って電線へ。
これだけの写真を撮るのに、何度も「SDカードの残量がありません」表示が出まして、そのたび、「ぎゃあ」と言いながら、ぼけた写真を数枚消しては再びカメラを構えて撮影。普段どれだけSDカードを消費していたことか。フィルムの時には考えられなかった使い方ですね。フィルムカメラを使っていた時代には、一回シャッターを押すにも緊張感があったことを懐かしく思い出しました。
ハナミズキの紅葉が美しい!
今年は、西遠のハナミズキの葉の赤い色がとても鮮やかです。
毎年毎年、紅葉の風情は異なりますね。一期一会の風景を日々楽しみたいものです。