様々な女性から学ぶ ~高校講堂朝会感想~

11月9日の高校講堂朝会では、「様々な女性の生き方を通して」というタイトルでお話しました。アメリカ大統領選挙の直後、カマラ・ハリスさんの演説も紹介しました。その日の模様は、こちらからブログをお読みください。

今日は、この講堂朝会の感想を紹介したいと思います。ヒラリー・クリントンさん、カマラ・ハリスさん、そして中満泉さんの話を聞いて、高校生はどんな感想を持ったのでしょうか。今日は高校1年生の感想です。

まず初めに2016年にトランプ氏に敗れたヒラリー・クリントン氏の敗北のスピーチを聞きました。2016年、この頃はまだ私も幼く選挙について興味も知識もなかったため、今回の講堂朝会で初めて耳にすることになりました。スピーチには若い人々の可能性や女の子の価値や強さなどの熱いメッセージがありました。私が一番印象に残った言葉は、「正しいことのために戦うことは価値があるのだと、信じ続けてください。」という言葉です。私はスピーチの全文が知りたくなり、実際にスピーチをされている動画を見ましたが、この運動は個人や選挙のものではなく希望に満ちたアメリカをつくるためだという国を思う強い気持ちが彼女を動かしているのだと言うことを知り、同じ人間、同じ女性としてとても感銘を受けました。

私が嬉しかったのは、この集会記録を書いた生徒が自主的にヒラリー氏のスピーチ全文を聴いたことです。そういう行動が私にはとても大事だと思います。他にも、自分で調べたことを書いてくれた生徒がたくさんいました。自分でもっと深めるために調べる姿勢を、私は歓迎します。

女性のあり方、生き方というのは「未知」という言葉がぴったりなのかなと思います。「未知」というのは、ゴールが見えない・先が見えないなどといったネガティブな面もありますが、自分たち次第では自分たちで道を切り開ける・挑戦することができるなどといったポジティブな一面もあるのではないかなと思います。(中略)ハリスさんとヒラリーさんの敗北宣言の言葉を聞いて、「やっぱり」や「厳しい」と思ってしまった自分を後悔しました。なぜなら、それが敗北ではないと感じたからです。確かに、形としては敗北したけれど、それは勝利するいつかの誰かのための勝利への鍵の一つであると知ったからです。今までの私は、「負けた」という勝敗の結果論しかみず、それが女性としての生き方を確立する一つのピースであることを分かっていませんでした。ですが、お話を聞いた今、私は、女性全体が、一歩一歩、「未知」への終止符を打つための階段を登っているのだと思いました。物事の大小限らず、今世界の何処かでは、パズルのピース集めのように女性の生き方を見出しているでしょう。私も、人ごとだと思わず、なにか自分のできることを時間をかけて探していきたいと思います。私は、これから人生70年、80年だとして、それが女性の生き方の歴史に影響を与えるに長いのか短いのかはわからないけれど、なにか一つでも女性のあり方、生き方に対してピースを埋められるように頑張りたいです。

彼女の文章の中の「勝利するいつかの誰かのための勝利への鍵の一つ」という言葉に私はいたく感激しました。「未知」という言葉のポジティブな捉え方にも共感しました。自分のできることを70年80年かけて頑張る、そんな女性がこの学校からどんどん増えていったらうれしいです。

今日クリントンさんやハリスさんのスピーチを聞いて、私は今までの女性の敗北は決して無駄ではないと思いました。クリントンさんやハリスさんは間違いなく、若い世代にガラスの天井を破るためのバトンを繋いでくれています。女性のガラスの天井を破るのは簡単なことではありません。それでも少しずつ女性の社会的地位向上は実現しつつあります。そしてそれを確実にするのが私達若い世代の役割だと感じています。今までの女性の方々が繋いできてくれたバトンを今度は私達がつなぐ番です。そのために私達は女性の生き方を学ぶ必要があると思います。(中略)私はまだ、自分の将来像を明確に思い描くことができていません。だからこそ、西遠女子学園での女性学を通して様々な女性の生き方を学び、それらをを参考にして自分の理想の生き方を探したいと思います。そして自分が学んだことを伝えられるように、作文などを通して表現する機会も大切にしたいと思います。

バトンを繋ぐという考え方、私も大事にしたいと思います。西遠での日々の学びが、生徒たちにどんどん浸透していきますように。

中満泉さんのことは校長ブログに5つ応援メッセージが書いてありましたが、私は「頑張っていれば、味方して応援してくれる人がたくさん出てくる」という言葉に注目しました。その言葉の中には、努力を続けることが周囲の信頼と支持を得るための鍵だと示していると思いました。努力が必ず報われるわけではないけれど、その姿勢が周りに伝わり、サポートしてくれる人々がいることを信じて、日々の歩みを大切にすることが重要だと思いました。自分の目標に向かって誠実に進んでいれば、必ず支えてくれる人が現れるという信念を持つことが、前向きに生きる力となると私は思いました。

応援してくれる人が現れるためには、自らの「努力する姿勢」が大切であることを、この生徒は中満さんから教わりました。中満さんという日本人女性の活躍もまた、多くの若い女性たちの背中を押してくれています。

力強い感想がたくさんあって、とても素晴らしい集会記録ばかりです。1月には「女性の生き方を考える弁論大会」も待っています。西遠女子学園の秋から冬は、一人一人が自分の生き方を問い、学ぶ大事な季節です。