本日12月14日の1時間目は、今年度6学年が集まって開催する「全校講堂朝会」の最終回でした。高校3年生はにとって最後の講堂朝会です。
講堂朝会の前に、今週から2週間、西遠で学んでいるオーストラリアからの留学生2人のスピーチがありました。二人の日本語と英語のスピーチは、全校生徒の心に温かく柔らかく届きました。留学生の皆さん、4年菊組・藤組の仲間と有意義な日々を過ごして、日本語や日本文化に親しんでください。
12月10日は「世界人権デー」です。12月の講堂朝会では、毎年様々な角度から「人権」について考えています。今年は「生きるために大切なこと」と題して、人権のことをお話ししました。
11月20日の「世界こどもの日」に新聞の第1面に大きく掲載されたのは、谷川俊太郎さんの訃報でした。谷川さんは、やさしく分かりやすい日本語で子どもたちの心に響く様々な詩や絵本、エッセイなどを記され、今年11月13日に亡くなったのでした。今日は、谷川俊太郎さんの絵本や、易しい日本語訳をした「世界人権宣言」の言葉など、谷川さんが若い世代に残してくれたことを紹介しました。
「へいわとせんそう」は、シンプルな絵と短い言葉が平和の大切さを小さい子どもにも分かりやすく伝えています。また、敵も味方も同じ人間であることを、読む者の心に訴えかけてきます。
また、「しんでくれた」という物騒なタイトルの絵本には、人間がどうして命を大切にするのかが詰まっています。
さらに「世界人権宣言」の「平易な日本語に訳す」という作業には、谷川俊太郎さんが子どもたちに「人権」の大切さを心を込めて伝える、そんな優しさや愛情が感じられます。谷川さんからのプレゼントを、生徒の皆さんはどう受け止めたのでしょう。
「世界人権宣言」の谷川俊太郎さんの訳文は、「アムネスティ日本」のホームページからぜひお読みください(こちらをクリックしてください)。
ノーベル平和賞の授賞式での田中煕巳(てるみ)さんの受賞スピーチにも触れました。特に、田中さんご自身が原爆投下三日後の長崎の街で目にした光景、そこで感じた強い思いを、生徒に紹介しました。
一発の原子爆弾は私の身内5人を無残な姿に変え一挙に命を奪いました。その時目にした人々の死にざまは、人間の死とはとても言えないありさまでした。誰からの手当ても受けることなく苦しんでいる人々が何十人何百人といました。たとえ戦争といえどもこんな殺し方、こんな傷つけ方をしてはいけないと、私はそのとき、強く感じたものであります。
田中 煕巳 さんのノーベル平和賞受賞スピーチ原稿より
若い世代として、「社会を変える力」を実行に移す「エージェンシー」を、生徒の皆さんには持ってほしい。西遠で過ごすからこそ出会うことのできる「人間性」を育む場面。生徒の皆さんが、西遠での日々で「未来を拓く力」を確実に身につけてほしいと思います。それは、「人として生きるために大切なこと」そのものです。
朝会では、最後に、12月17日に、アニメーション監督で作家の富野由悠季氏をお招きして開催される「女性教育講演会」にどういう姿勢で臨んでほしいかというお話もしました。生徒の皆さんにとってたくさんの気づきの得られる講演会になることでしょう。富野監督にお会いできることを西遠の生徒も教職員もとても楽しみにしております。
しばらくブログを休載させていただきました。ご心配をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。徐々に復活していきたいと思っております。よろしくお願い致します。