小さな出会い2つ

「浜松市民文芸」で出会う

1月25日(土)、小学生の皆さんへの図書館開放日でした。私は1時間ほどカウンターに座っておりました。こういう時だから本でも読みたいな、何を読もうかな、とブラウジングルームに行くと、「浜松市民文芸69」が置かれているのを発見しました。

この「浜松市民文芸」はその名の通り、浜松市に住む人々が寄せる文芸誌です。小説、随筆、評論、童話、エッセー、短歌、俳句、川柳などのジャンルに応募した市民の作品の中から、最優秀となる「市民文芸賞」が決定され、この冊子にまとめられるのです。実はその昔、私も、評論の部と随筆の部で市民文芸賞をいただいたことがありますので、懐かしさに誘われて、69号のページをめくりました。すると、短歌の部の「市民文芸賞」の中に、日本語を学ぶ生徒さんのことを歌った短歌に出会いました。あれ?この方、もしかして…と名前を確かめると、佐藤一央さんとあります。去る22日に皇居で行われた歌会始で入選された浜松市の男性でした。

歌会始の佐藤さんの歌は、
「十週の日本語教室(クラス)了(を)へし子はひらがなのみで夢を語れり」
というもので、市内で、外国にルーツを持つ子どもたちに日本語を教えている佐藤さんが、ひらがなを覚えたての生徒さんの夢を語る姿に目を細めている様子がうかがわれる短歌です。
市民文芸69号に掲載された短歌もまた、素敵なものでした。
「ひら仮名を覚えたばかりのMohammed(モハメド)が〈もはめど〉と書く春の教室」
は市民文芸賞の3首のうちの1首で、ひらがなの優しさ、モハメド君のひたむきさが伝わってくる短歌でした。

地元で日本語を教えながら短歌を作り続ける佐藤さんの存在を知り、「市民文芸」を手にした私の心がぽっとあたたかくなりました。
そして、また、このことをちょうど図書館を訪れていた小学生とそのご両親に紹介したりして、感動を分かち合えたのも、とても嬉しいことでした。

鳥と出会う

昨日の朝、西遠の駐車場に着いた私が、ふと枝垂れ桜の枝に目をやると…、あ、いました!

オスのジョウビタキが桜の枝にとまっています。上の写真、中央にいるのが分かりますか? 我ながらよく気づいたなあ、と嬉しくなりながら、そうっとそうっとカバンからカメラを取り出し、逃げるな逃げるなと念じながらシャッターを押しました。

相変わらずピントは甘いですが、何とかジョウビタキ君をカメラに収めることができました。

先日は、カメラを持たずに歩いているときに、ツグミを見つけました。久しぶりのツグミとの遭遇です。ちょちょっと飛んでは地面に降りて、数歩ちょんちょんと歩いていき、私が近づくと、またちょちょっと飛びます。追いかけっこを楽しんでいるかのようなひとときでした。

春を待つ木々の枝に小鳥が来ているのを見ると、そろそろ花が咲くかな、と春を迎える楽しみも倍増します。シジュウカラの鈴木俊貴さんじゃありませんが、どうしたら多くの人が野鳥に興味を持ってくれるかなあ、と考え込んでしまうオオバでした。