小さな白板2025 第5週

高校入試をはさんで寒い日が続いた第5週、図書館入り口の小さな白板(ホワイトボード)のラインナップはこちらです。

2月3日(月)
ひと匙のマーマレードの安らかさ少し焦げ目を与えたパンに
       東 直子

2月はこの日から。1・2日がお休みでしたので、今年の2月の白板は立春からのスタートです。寒い朝にほっこりトーストの温かさを。この短歌を見ていると、焼き立てトーストにマーマレードやジャムを塗って食べたくなりますね。小さな幸せ。

2月5日(水)
丹頂の羽根ひろぐる二羽 遠くより来たるわれらの目を楽します
       沢口芙美

酷寒の北海道に旅をして、タンチョウの舞う原野を訪ねた作者たちを、タンチョウ2羽が迎えてくれたのですね。大きく羽を広げた2羽が目に浮かびます。寒さも忘れ、感動に耽る瞬間です。自然の中に生きる生物には、言葉を超えた感動を感じるのでしょう。

2月6日(木)
「ときめき」を「胸がどきどきする」と解くわが広辞苑第六版は
       小畑庸子

そうだ、去年はBSドラマ「舟を編む」に夢中になっていたなあ、と、この短歌に昨年の思い出が甦りました。広辞苑第6版にある「ときめき」の説明。あなたも、お手元の辞書で「ときめき」を引いてみませんか? そこには、辞書を編纂する方々の、言葉への並々ならぬ愛とこだわりが詰まっているはずです。

2月7日(金)
継続はリ・スタートの積み重ね初めの一歩の力を念ず
       金子貞雄

「短歌研究」2022年5月号は、「リ・スタート」をテーマにたくさんの歌人が短歌を寄せたコーナーがある分厚い冊子です。この短歌に触れ、継続は再出発の積み重ねなんだという言葉が、応援歌のように私の胸に響きました。

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寒いけど、我が家の梅が一輪開花しました!やったあ!今年ほど、梅の開花を待ちわびた年はないです。