
今日は、今年度第1回の土曜プログラム実施日。その最初を飾ったのが「役員認証式」でした。令和7年度の役員に任命書を渡した後、「全校講堂朝会」が始まりました。最初の講堂朝会のタイトルは「西遠生が目指すもの」です。スライドを使ってお話しました。

西遠の教育目標と、何をどう学ぶのかということ、「未来を拓く学びのデザイン」の説明から始まった今日の訓話。「確かな学力」「世界で生きる力」「豊かな人間性」の順に説明を加え、最後にこの3つの力をつけるために不可欠な「言葉」についてまとめました。
1 確かな学力
「確かな学力」を獲得するために、「授業」「家庭学習」「テスト」にどう取り組むべきかをお話ししました。今年の重点目標は「予習・復習」です。家庭での学習は不可欠であること、定期テストに対して万全な準備をして臨んでほしいということを話しました。中学では、もうすぐ「自学マスターズ」がスタートします。昨年度までの「Jタイム」を新たな形にしたものです。中学生の皆さんの積極的なチャレンジ姿勢を期待しています。
2 世界で生きる力
パフォーマンス大会、HR展、姉妹ピア活動、生徒会活動――それぞれの活動から得られる「世界で生きる力」。今回は特に生徒会活動について考えました。生徒会規約を確認し、この後行われる「生徒総会」の目的や意味について説明しました。私自身、中学1年生で初めて臨んだ「生徒総会」は何のことやら意味が分からず、最後に「承認」と言われてみんな起立したから自分も立った、という苦い経験があります。だからこそ、私は、中1の最初の生徒総会から、しっかりと意義を知り臨んでほしいと思っているのです。

この後行われた生徒総会では、実際に会員から良い質問もたくさん出て、活発な総会となりました。生徒たちの早速の実践を頼もしく思いました。
3 豊かな人間性
「青春の道場」西遠で「人間性」を磨いていく過程で、今年は特に「戦後80年の慰霊式」にどう臨むのかを考えてほしいと、生徒の皆さんに課題を提示しました。
その中で、昨年の高校2年生の研修旅行後のレポートを紹介しました。時間の関係で一人の感想しか紹介できませんでしたが、ここには、もう少し紹介してみたいと思います。
長崎に行った際に活水高校の方に平和についてや活動についてなどを説明してもらい、静岡にも平和に関する活動があることを教えてもらいました。その話を聞いて私も自分事と考えそのような活動に積極的に参加したいと思います。
平和記念公園で献鶴式をしました。みんなで黙祷を捧げ平和に対する気持ちを新たにすることができました。私達以外にも小学生や海外の団体も式をしていてみんなの世界平和実現に対する真剣な気持ちが伝わってきました。そして原爆資料館では実際に原爆にあった物が置いてあり、このようなことは二度と起こってほしくないと強く感じました。
原爆症によって多くの人々が今も苦しむ中、後世に戦争の惨さを残すために被爆者の方々が賛成、反対の意見を重ね私達が今回訪れた博物館に本来見せたくはないはずの自身の原爆症の傷を私達に見せてくださいました。今の日本には笑い声も、悲しみの声も、いろいろな声が響く中、今も被爆者の胸の中に現在の日本で響くことのない銃声の音、わめき声、爆発音が今も響いていると思うと胸がぎゅっと締め付けられます。博物館には目を背けたくなるような写真もたくさんありました。これが実際に自分の目の前で、臭いと共に繰り広げられると思うと想像が一切つきませんでした。今では感じられない当時の人の思いにもっと深く触れたいと思いました。西遠に入学する前から私の家族では戦争の話をすることがよくあったのでその話を友達に話すと少し嫌な顔をされましたが、西遠に入学するとみんなが主体的に戦争について考えていました。西遠の制服を着ているだけで私は近所の方から戦争の話を聞くこともいくつかあります。戦争当時もこの制服を着ていたと思うと西遠の制服の重さをとても感じます。
活水高校との交流会を行ってまず生徒さんのプレゼンの行い方に圧倒されました。同じ高校生なのにもかかわらず、平和への思い、本人が聞いた話をうまくまとめ自分たちに伝えてくださったコミュニケーション力がとても印象に残っています。自分たちからの質問にも細かくわかりやすく伝えてくださり聞いていてすごく驚いています。他にも、ただ単に平和について考えるのではなく、地域を活用した活動やこれからの長崎が、世界がもっと原爆のことについて知り、平和への思いを強くしてほしいという視野を広げて考えている部分がすごいと感じました。
ここに掲げたのは、昨年度5年菫組の「文学国語」で提出された長崎のレポートの抜粋です。偶然3名とも公立中学出身生でしたが、彼女たちのレポートを読みながら、私は西遠の平和教育のプログラムの大切さを再認識しました。
4 3つの力に不可欠な「言葉」
「確かな学力」「世界で生きる力」「豊かな人間性」の獲得のために不可欠なもの、それは「言葉」です。2月の講堂朝会や、今年の中学入学式でも紹介した恐山の僧侶 南直哉さんの言葉を改めて提示し、「言葉を持つことの大切さ」について考えてもらいました。
そして、4月16日のNHK「クローズアップ現代」の「感情リテラシー」についての話も紹介しました。番組では、「やばい」「えぐい」だけで済ましている若者たちが、「闇バイト」へと引きずり込まれたり、「暴力」という形をとってしまったりするという衝撃的な内容が紹介されていました。→番組に興味のある方はこちら(クローズアップ現代の公式サイト)をお読みください。

自分の感情を説明でき、分析できる力をつけ、自分の言葉で体験や意見を語ることのできる人になってほしいと思います。西遠には、自分の体験や意見を自分の言葉で語れる先輩がたくさんいます。生徒の皆さん、そうした環境に自分がいることを自覚し、先輩の姿を目標に、自分を高めるために努力する日々を歩んでください。
集会記録の提出を楽しみにしています。