講堂朝会

先月19日(土)の講堂朝会は、校長として初めての講堂朝会でした。
この日は役員認証式と併せての会でしたので、全校生徒が講堂に集まっての講堂朝会となりました。
この日私は、
①役員としての心構え
②今年度統一テーマ「可能性は無限大~感動をこの手に~」の意味
  ・五輪選手たちのこと
  ・猿橋賞受賞者 一二三恵美さんのこと
という大きく分けて2つのお話をしました。
一週間ほどたって、1~6年生の「集会記録」が提出されました。「集会記録」とは、講堂朝会の感想を綴ったB5版両面のレポートです。平常は「記録ノート」あるいは「進路ノート」に感想欄がありますので、全員がそちらに記入しますが、毎回5名ほどの生徒が提出当番として両面印刷の「集会記録」に感想を書き、担任に提出することになっています。
というわけで、私にとって「初めて」の講堂朝会の感想を、これまた「初めて」読む立場になったわけです。
一人一人の記録を読みながら、それぞれが一生懸命考えたことを字にしてくれて嬉しく思いました。不器用な表現や聞き違い・記憶違いといったものも中にはありますが、それでも約30分の話を自分の糧として聞くことができるということは、とても大事なことだと思います。
私からもコメントを書かせてもらい、今日担任の先生にお返ししました。
   ※《続き》に感想の抜粋を掲載しました。

次の講堂朝会は、今週10日(土)。
中学の皆さんにお話します。


生徒の皆さんの感想を、このブログでもご紹介したいと思います。学年一人ずつ感想の一部を抜粋してみました。名前は伏せてあります。また、中略や表現の校正などがありますが、ご了承ください。
1年生
 今年の目標「可能性は無限大~感動をこの手に~」の感動。校長先生がおっしゃったように、西遠には「感動」を作る「きっかけ」がいろいろな所にあると思います。けれど、「感動」のもとは「努力」であることも忘れないようにしたいです。今の私にはこれといった目標がありません。それでも、その日ごとの積み重ねが大きな感動を生み出すことをきちんと理解し、毎日を一生懸命過ごすことが、私に今できる最大の努力だと思います。
2年生
 校長先生の話を聞いて一番思ったことは、「あきらめず努力すること!」。あきらめずにやれば必ず成功する、努力すれば必ず結果が出ると思いました。今年は富士山に登るというビッグイベントがあります。練習もきつくて「もういやだなー」と思う時もあると思うけれど、校長先生の話を思い出して頑張りたいです。HR委員としてクラスをまとめていきたいです。もう一人のHR委員さんと一緒に「磨き合い助け合うクラスを作ろう」の学年目標のもと、頑張りたいです。そして、充実した毎日が送れた!富士山楽しかった!と思えるようなクラスを作っていきたいです。
3年生
 人それぞれ違う力の中で、手にする感動とはどんなものだろう。きっと達成感や団結力、素晴らしい仲間と味わう喜びは、一生の宝物となる。これは、音楽コンクールで私が経験したものと似ている。優勝と聞いた時の高揚や驚き、喜び…はかり知れない感情が全身を巡り、クラスみんなで分かち合ったあの瞬間ほど、思い出になったものはない。そんな感動をこの1年、いやこれからみんなとたくさん手にしていきたい。しかし、努力をしなければ、感動は絶対にやってこない。音コンでも、みんなで指摘し合いながら努力や困難の壁を乗り越えてこそ、優勝できたと確信している。挫折や困難なくして感動は来ない。これからもたくさん感動を手にできるように、己の限界を広げて、可能性は無限大だと信じて頑張りたい。
4年生
 一二三恵美さんや猿橋賞について、私は知らなかった。猿橋賞は、自然科学の分野で顕著な研究業績を収めた女性科学者に毎年贈られており、今年で34回目だそうだ。一二三さんは「スーパー抗体酵素」についての研究で賞をとられた。一二三さんの今までのことについては、とても驚いた。望んだ職に就くことができなくても、自分ができることを全力でやり、結果を残した一二三さんは、とてもすごいと思った。このように世界に通用する女性は増えていると思う。女性が活躍できる社会になってきている。このような人たちのように努力してよい結果を私も残していくことができるといい。この1年、「可能性は無限大~感動をこの手に~」という統一テーマの下、いろいろなことに挑戦し、頑張っていきたい。
5年生
 羽生選手が金メダルを獲った時、浅田選手のフリープログラムが終わった時は、日本中の人々が感動しました。私も今でも鮮明に脳裏に浮かびます。フィギュアスケートは華やかな世界ですが、日々の練習はとても厳しく、そう簡単には成果が出ません。何回も何十回も何百回も練習をしても、納得のいく演技は1、2回です。納得いかない日もあります。それでも本番は美しい衣装を着て笑顔で演技をします。私はその一瞬の演技にそれまでの努力を注ぎ込む姿にすごく憧れます。人の可能性は無限だとよく言われますが、学年が上がるにつれてそれは狭まっていき、「こんなこと自分にできるわけがない」と自分の限界を決めて、今までの自分は早々にあきらめてしまっていました。しかし、今の自分が持てる能力をすべて発揮しているかと問われると、そうでもありません。結局は自分次第だということです。苦しい時ほど、ものの見方や態度をクリエイティブなものに変えられます。自分で新たな可能性を切り開いていけます。それには目標が必要です。たとえ何の保証がなくても、強い信念を持って挑むことが大切だと感じました。
6年生
 ソチオリンピックのフィギュアスケートのSPで失敗してしまった浅田選手が、フリーで今までで最高の演技を披露しました。私はその演技から、あきらめないことの大切さや夢を実現させようとする姿勢を学び、「感動するってこういうことなんだ」と感じました。ただ、良い映画やドラマを観て泣くようなことだけが感動ではないと知りました。浅田選手にとって金メダルに匹敵するか、あるいはそれ以上のものを彼女は手にしたはずです。幼い頃からずっとフィギュアスケートを極めてきて、いくつもの大会でメダルを獲ってきた浅田選手でさえ、最高の感動を手にしたのは20年ほど経った今です。本当の感動や喜び、達成感を味わうことができるまでには、相当な時間と経験が必要であり、苦労や挫折を何度もするものなのだと改めて思いました。
一生懸命考えたことが十分伝わってくる文章だと思います。
こうした「集会記録」という名の成長の記録が、やがて生徒一人一人の無形の財産となっていくよう望みます。