「女子だけ」という世界は、共学に慣れている人にはちょっと特殊な世界に見えるようですね。
実際、入学した時に男子がいないことに違和感を感じた生徒もいるようです。
講堂朝会を聞いた高校生の集会記録に、こんなコメントがありました。
西遠に入学したばかりの頃は、男子のいないクラスに違和感があり、女子だけの世界は何か怖いと思っていました。清楚でお嬢様ばかりのイメージだったので、自分はなじめるのかと不安でしたが、意外と男子っぽい女子が多くて、あの時あんなに不安がっていた自分は何だったんだろうと思います。
はいはい、私もずーっと若い小6の終わりごろ、どうしても女子だけしかいない教室という想像がつかず、西遠への入学をちょっと不安に思っていた時期がありました。
「西遠に入るなら、言葉遣いをよくしなさい!」と日々言われていましたので、「お嬢様」の中で暮らしていけるのかも心配でした!
でも、案外、教室にはボーイッシュな子もいて、おてんばな仲間も大勢いて、安心したことを覚えています。
言葉遣いも、気を遣ったのはきっと入学式前の数日だけだった気が…。
女子校って、男の子っぽい子がいるものです。
なぜなら、「女子はこういうもの」という概念を押しつけられなくてすむからです。
素の自分でいられる安心感を味わい、安心して過ごせるという意見も集会記録の中に多くありました。
私は西遠に入学して「性格が変わったね」とよく言われていました。失敗することや人に笑われることが怖くて、全てを完璧にこなそうと無理をしすぎる小学生でした。西遠に入って、幼い頃から大好きだった踊ることを部活という形で続けることができて、富士登山やオーストラリア研修旅行など西遠にしかない行事で、たくさんの貴重な体験ができ、恵まれた環境で青春を過ごすことができて、本当に幸せ者だと感じています。
講堂朝会を聞いて、私は小学校の頃の男女共学の生活を思い出しました。そして、改めて中高は女子校に通えてよかったと強く感じました。なぜなら、私は小学校の頃、やはり男子を意識して、あまり楽しい小学校生活を送れなかったからです。思い切った発言や行動をとることが多かったのですが、そのたびに男子に「女子のくせに」と言われて、そうすると「女子」に属していないような立ち位置になった気がして、それは嫌だったので、それなりに気取っていました。だから、今と比べると、少し息苦しく感じるような生活でした。西遠に入学してからは、男子の目を気にすることなく、思い切った発言や行動をすることができるようになりました。それは、ストレスのない、とても楽しい生活でした。
自分に無理をすることなく、肩の力を抜いて自分らしく振る舞える環境。
自分に自信を持って、自己を十分に成長させられる環境。
女子校って、そういうところだった!と実感している生徒が少なくないようです。
「新しい自分に出会える」そんな場でもあると思います。
彼女たちはこんなふうにも感じています。
よく女子校は「いじめが多そう」とか「女子だけで面倒くさそう」とか「怖そう」とか言われたりします。全然そんなことないのに、勘違いされるのはあまり良い気持ちがしません。自分らしく素でいられてとても楽しいということを多くの人に知ってほしいです。
私は、成長する過程で、必ず自分と同性の仲間しかいない環境に身を置くことが必要だと思います。同じ境遇にいるからこそ、言い訳が許されないですし、異性の目を気にせずに友人と話す内容は、本心なので深い内容になります。友人との人生の話合いは、今の自分の人生のとらえ方に大きな影響と広い視野をもたらしてくれました。今の友人を一生大切にしたいです。
異性の目を意識することなく、伸び伸びと生活でき、一生の友人を得られる6年間。
たくさんの出会い、たくさんの体験を通して、女子校での6年間が大切な財産になっていくのです。