今日は、今年度の講演会の日でした。
総合学習の一環として、平成14年から始まった「女性学講演会」は、「人として女性としていかに生きるか」を考えることをメインテーマとして、毎年、各方面で活躍されている方に学園にお越しいただき、全校生徒にご講演をお願いしているものです。
「自然」「国際」「魅力ある生き方」をキーワードに、今までたくさんの皆様にご講演いただいてきました。
そして、今年、ケニアのナイロビにもう27年お住まいの早川千晶さんをお招きしました。
早川さんは、浜松市立高校を卒業後、東京外国語大学から、世界放浪の旅に出て、今はケニアのスラム街で学校を主宰していらっしゃいます。
「アフリカのスラムに学校を作る~子どもたちの笑顔、命の輝き」と題して90分、
私たちは早川さんから大変感動的なお話を聞くことができました。
早川さんは、世界を放浪し、ケニアのナイロビにある大きなキベラスラムという最大のスラム街に出会います。
掘立小屋が所狭しと並び、ぎゅうぎゅう詰めの家々に、迷路のような路地。
でも、人々はとても明るく、みんな声を掛けてくれるところだったそうです。
命のエネルギーに圧倒された、と早川さんは語っていらっしゃいました。
そこで、早川さんは「人生最大の親友」に出会いました。
それがリリアンさんでした。
彼女がスラム街に学校を作る夢を持ち、それを早川さんが応援し、スラム街に暮らす子どもたちや、孤児やストリートチルドレンたちの寺子屋「マゴソスクール」が出来上がったのが1999年。
今では600人を超える大家族の学校です。
早川さんは、アフリカの子どもたちの貧困や、困難な生活を語ってくださいました。
両親に死なれ、孤児になってしまった子どもたちや、
空地に寝泊まりしている男の子、
ゴミの中で生活している「チョコラ―」と呼ばれるストリートチルドレン。
マゴソスクールは、そんな子どもたちの「駆け込み寺」、
マゴソにやってきたら、みんな家族だと言います。
子どもたちが「学校に行きたい、勉強したい」と言い、マゴソで学び、やがて高校受験に臨む…。
マゴソを巣立ったOB・OGたちは、「僕たちが頑張れば、あとに続く小さな子たちに夢や希望を与えられる」と言っているそうです。
温かい心を持ち、優しさと愛で満ちたマゴソの子どもたちから、本当にいろいろ教えられた思いがします。
最後に見せてくださった動画は、3・11の後、日本へ日本の人々へ祈りを込めて歌ってくれたマゴソスクールの子どもたちの姿でした。
思わず涙がこぼれました。
早川さんご自身、前向きで優しくて、とても熱いハートを持っていらっしゃいます。
実は、早川さん、天王町のご実家から、今日は西遠へバスでお越しくださいました。
講演会までの時間、早川さんは西遠の歴史を興味深くお尋ねくださり、創立者の苦労や建学の精神に「感動して涙が出そうです」と感激してくださって、なんと心の豊かな、素敵な方なのだろうと私まで(講演会前なのに!)感激してしまったのでした。
そして、たくさんの方との出会いも大切にしていらっしゃることがよく分かりました。
なんといっても、早川さんと西遠との出会いも、昨年の学園祭で5年月組が「マサイ族」を取り上げたことからのご縁だったのです。
担任の白井先生が連絡を取り、マサイについて教えていただいたのですが、
その後も連絡をくださって、今日の講演が実現したのでした。
講演会の後、友情編集委員の取材を受けてくださった早川さん。
とても丁寧に取材に答えてくださいました。
そして、記念撮影。
友情編集委員&この講演会実現に尽力してくれた白井先生も加わって。
生徒代表が壇上でお渡しした花束も、早川さん、大変感激していらっしゃいました。
早川さんは明日関空からアフリカへと戻られるそうです。
そして、次は9月に、マサイのジャクソンさんご夫妻と一緒に日本に戻られるとのこと。
大変エネルギッシュで、愛にあふれ、出会いを大事にされ、日々積極的に過ごしていらっしゃる早川さん。
なんと第1回女性学講演会でお招きした元ケニア大使の佐藤ギン子さんや、今まで2回西遠にいらしてくださった坂元達さんも、お知り合いだそうです。
興味深いお話ばかりで、お名残惜しく思いました。
またいつかお会い出来たら幸せです。
早川さん、今日は本当にありがとうございました。