明日、高校2年生は、中講堂にて「映画鑑賞」をします。
今回、彼女たちが見る映画は、「この子を残して」です。
「この子を残して」という映画を皆様ご存知ですか?
1983年に作られた映画です。
監督は、木下惠介氏。
1912年、浜松市伝馬町に生まれました。
そうです、浜松出身なのです。
浜松市中区栄町に「木下惠介記念館」があります。
2013年には、木下惠介と母を描いた「はじまりのみち」という映画も作られました。
我が郷土の著名人です。
彼は、日本映画史上に残る名作を数々残した映画監督として、海外でも高い評価を受けています。
名作「野菊の如き君なりき」(小説「野菊の墓」が原作)
「二十四の瞳」(壺井栄の名作)
日本初のカラー映画「カルメン故郷に帰る」など、
一貫して人間の生きる姿を実直に追い続け、
たくさんの人々に感動を与えました。
その木下監督が、1983年に発表した「この子を残して」は、
長崎の原爆が大きなテーマの作品であることから、
西遠では、秋の九州研修旅行を前に、5年生が必ず見ることになっています。
永井隆博士の手記「この子を残して」が映画の原作です。
医師の永井博士は、1945年8月9日、勤め先の長崎医大の診察室にて被爆。
奥様はご自宅で即死。
残された二人の子供と、「如己堂」という小さな家に住み、病身を押して執筆活動に励みました。
平和を願い続けながら、永井博士は1951年に息を引き取りました。
二人のお子さんをこの世に残して…。
映画では、永井博士を、加藤剛さんが演じています。
加藤剛さんもまた静岡県出身の名優さんです。
大竹しのぶさんも若々しい姿で出演されています。
私自身、この映画が公開された時に、映画館で見ました。
当時のローマ法王が長崎を訪ねた時のドキュメント映像から始まったことを鮮明に覚えています。
雪のふぶく長崎でした。
明日、5年生たちはこの映画を見て何を思うでしょう。
セリフは少し聞き取りにくい長崎弁、
もしかしたら知らない役者さんばかり。
でも、時代を超えて、監督や作者の思いはきっと届くと思います。
長崎の人々の平和への祈り、戦争や原爆への嘆き、悲しみも。
このブログを書くにあたって、「木下惠介生誕100年」というホームページを見つけ、
そこで初めて知ったことがあります。
原爆を浴び、一瞬にして町が吹き飛ぶシーンの撮影が、
今のハウステンボスが建っている地で行われたということです。
全く知りませんでした…。
5年生の皆さん、良い映画にはたくさんのメッセージが詰まっています。
明日の名画鑑賞が、皆さんの心の扉をまた一つ開けることになりますように。