今日も、曇り→雨の朝。
朝、正門に立っていると、
「家を出る時降ってなかったもん!」
「傘なんか持ってこなかったよ!」
と、天候の悪化が恨めしそうな、傘なしの生徒がたくさん通りました。
分かる分かる、その怒り。
でも、…梅雨だからね、
一応毎日傘は持とうよ…。
というわけで、雨空が恨めしい乙女たちの朝でした。
でも、考えてみれば、この時期にしては気温が上がらないので、
「暑い!暑い!」「エアコン入れて!」「温度下げて!」という生徒の不平は聞こえてきません。
暑すぎることなく、冷房に頼ることなく、教室で過ごせているのも大事な現実。
マイナス面ばかりより、プラス面を見なくちゃいけませんね。
「知足」という言葉があります。
「足るを知る」「満足することを知る」。
わがままになった時の戒めの言葉として心にとどめておきたい言葉です。
満たされていることや幸せな今に気付かず、
不平ばかり言っていたら、いつまでも満足できません。
もちろん、向上心は大切ですが、
今これだけのことに恵まれている、という現実を認識することも不可欠だと思います。
「吾唯知足」…京都・龍安寺にこの言葉があります。
「吾(われ)唯(ただ)足るを知る」と読みます。
小さい頃、この4字の刻まれた龍安寺のつくばいの飾り物が我が家にありました。
自分の名前の一字である「知」が入っていたので、
意味も分からぬまま気になる言葉として心に刻まれていました。
やがて、この言葉の意味を知り、大事な戒めだと思いました。
先日、講演会でお話してくださった早川千晶さん。
アフリカの子どもたちの輝く瞳を、スライドで見せてくださいました。
私たちの生活からは想像できないほど貧しいだろうスラムでの日々の中で、
遠く震災の地を想い、被災者の悲しみを想いながら、涙を流して祈ってくれる彼らの姿に、
心打たれた生徒も多かったはずです。
日本に住み、平和が当たり前で、
もっともっと自由が欲しい、
もっともっと高価な物が欲しい、
そういう希望は叶って当然だ!
・・・そう思ってしまう自分の傲慢を、
「知足」という言葉と、
早川さんのお話とで、
反省し、考え直していかなくてはいけないですね。
今日は、こんな天気の悪い中、
65回卒業生が2人、笑顔で母校を訪ねてくれました。
こうして再会できることも、
卒業生が活躍していることも、
すごく幸せなことです!
今日私の手元に届いた高校生の集会記録(先々週の講堂朝会の感想)も、早速読み始めたら、良い文章ばかりでした。
今、自分の置かれている幸せな状況に気付いた人が多くいました。
「足るを知る」を実践している高校生が多くいたことも、私には嬉しい発見でした。