東京からのお客様

今日は、西遠に素敵なお客様がご来校くださいました。
5月に行われた「殉難学徒慰霊式」にお手紙をお寄せくださった橋本みつ様が、
東京からご友人の金子様・篠原様と3人で西遠を訪ねてくださったのです。

橋本様のお姉さま 鈴木さださんは、殉難学徒のお一人です。
1945年5月の空襲でお姉さまを亡くされた時の悲しみを、
橋本様はお手紙にしてくださり、
慰霊式当日私が代読させていただきました。
本当なら慰霊式にご出席いただけるはずだったのですが、
体調を崩され、ドクターストップがかかって、ご来校かなわなかったのです。
橋本様のお手紙は、参列した生徒や先生方の心を打ちました。
戦後70年たっても消えることのない、戦争への恐怖、ご家族を奪われた悲しみ…。
平和を強く願う橋本様の願いは、参列者に届きました。
でも、やはり西遠を訪ねていただきたかった…という思いが私には強く残っていました。
それが、式から2カ月後、こうして叶ったのです。
お電話でお話は何度もさせていただきましたが、
実際にお目にかかるのは今日が初めて。
16時のお約束の時間に、本館のお玄関にて橋本様とお会いした時、
なんだか不思議な懐かしさがありました!
そして、一緒にご訪問くださったお二人は、橋本様を通じて西遠を知り、
「ぜひ訪ねたい」とおっしゃって、今回浜松への旅に加わってくださったのでした。
出会いって不思議で素敵ですね。
殉難学徒を偲ぶ「愛の灯」像の背面には、
亡くなられた方々のお名前が彫られています。
築山のヤマモモの木の下で、
お姉さまのお名前を確認し、
橋本様は静かに手を合わせていらっしゃいました。

そして、東京から持参したハーモニカで、お姉さまに「ふるさと」など3曲を届けたのでした。

ハーモニカの音色が静かに響き、温かい気持ちになりました。
お姉さまがきっと喜んでいらっしゃるだろうな、と思いました。
今年の慰霊式を企画・運営した高校生徒会執行部のメンバーも駆けつけ、一緒に記念撮影をしました。

橋本様は、東京から、戦争の記録をとどめたDVDのセットをご持参くださいました。
戦争を知らない生徒たち若い世代へのプレゼントとして、西遠にご寄贈くださったのです。
平和教育に生かしてまいりたいと思います。
ありがとうございました。
このあと、学園内をご案内しました。
体育館や図書館、レストランや記念グラウンド、ローズガーデンなどをご覧いただきましたが、
「とても素敵な学校ですね。」
「外国のような風情があります」
「ステンドグラスもいいですね」
「生徒さんが、皆さん明るくていいわ!」
と、皆さん西遠をとても気に入っていただけたのも嬉しかったです。
「希望の灯」の像の前で。

この像を見ている時、
私たち4人は素敵な瞬間を見ることができました。
セミが羽化していたのです!

平和の尊さ・命の尊さを通じて巡り合えた皆さんと共に、
今飛び立とうとする一羽のセミの姿を見られたことは、
何かとても素晴らしいプレゼントをいただいたような気がして、
荘厳な感覚さえ覚えました。
人との絆をとても大切にされている橋本様から、
たくさん良いお話をうかがい、
初めてお会いしたにもかかわらず金子様、篠原様とも本当に楽しくお話させていただき、
出会いは人生の扉を開くものなのだなあと思いました。
橋本様、金子様、篠原様、本当にご訪問ありがとうございました。
また西遠をぜひご訪問ください!