8月15日。アクトの大ホールでの浜松市戦没者追悼平和祈念式の中で、西遠の高校演劇部が「夕空」を公演。
翌朝、中日新聞には、「高校生 演劇で平和訴え」の見出しで、「夕空」のワンシーンが1面を飾りました。
戦争を知らない若い世代の代表として、無我夢中で練習し、演じきったその「夕空」が、
祈念式に参列したたくさんのお客様の心に届いたことが、新聞記事から伝わり、胸が熱くなりました。
そして、全校生徒の前でもう一度「夕空」を上演してほしい、という思いを、教務の由紀子先生や演劇部顧問の三井先生に伝え、時間のやりくりも練習もいろいろ無理をしてもらって、今日の校内公演が実現しました。
高校演劇部の皆さん+ギターで出演のIさん、
本当に突然降ってわいた再演を受けてくれてありがとう!
では、2階からカメラを構えて観劇したオオバが、写真で「夕空」をご紹介します。
1995年の夏、女子校の郷土研究部の部員と先輩が、奥山の土竜神社を目指しています。
土竜神社がどんな神社かは部員たちは誰も知らない…。
そんな生徒の前に現れたのは…、
同じ制服を着て、モンペ姿の少女2人。
でも、2人は逃げるように去ってしまいます。
「おーい」「おーい」
2人の落としたお財布を拾った5人は、呼びかけますが、届きません。
中を見ると、
5銭玉?10銭玉?…どうして???
そして、再び出会った5人と2人。
何と、同じ学校であることが分かります。
「今は昭和20年」という2人に、5人はビックリ。
「落ち着いて聞いてください。今は1995年。大東亜戦争で日本は負けたんです」
郷土研究部OGの言葉に、ショックを受ける2人。
触った体の冷たさに、5人は、2人が霊であることを知ります。
でも、同じ土竜神社を目指すなら、一緒に行きましょう!と5人は霊である2人を誘うのです。
そこへやってきたのは…、土竜神社にお参りをしようとする人々を阻止する男子学生でした。
土竜神社は、戦争に大事な人を行かせたくない、という願掛けの神社だったのです。
彼もまた昭和20年に命を落とした霊であることが、彼を追ってきたもう一人の男子学生の霊によって分かります。
霊として彼らはなぜさまよっていたのか…。
1995年、戦後50年の記念の年、彼ら4人は郷土研究部の若者たちに出会い、今の日本が平和で幸せであることを知るのです。
気付くと、4人の姿はなく、遠くに目指す土竜神社が見えました。
夕空の下で、部長は、5銭玉を拾います。
夕空の赤いシルエットと悲しげなギターの音色が余韻を残しながら、「夕空」は終演しました。
夏休みを終えた今日、鑑賞した生徒の皆さんにとって、この公演が
70年前の戦争や、今の平和について、
静かに考えるきっかけになってほしいと思います。
原案を書かれた三井先生、
舞台で熱演してくれた皆さん、
舞台裏で走り回って支えてくれた部員の皆さん
ギターで登場してくれたギタマンのIさんも、
本当にありがとう!
お疲れ様でした。