学園祭HR展のための特別講座

西遠では、学園祭のクラス研究発表「ホームルーム(HR)展」を、課題探究の重要な行事として捉えています。真面目にテーマを追い、調査研究して発表していく過程で、21世紀を生きていくために必要とされる「21世紀型スキル」の獲得を目指しています。

昨日6月19日、今年のHR展が大きく動き出しました。1時間目、HR展を行う中3から高2までの3学年と、昨年まで学園をリードしてくれた高3が講堂に集まり、「HR展のための特別講座」に臨みました。今年はTEDxHamamatsuオーガナイザーの河口哲也様がご来校くださいました。

「コミュニティ運営から学んだ あなたに伝えたい2つの話」

と題して、河口さんは、自らのTEDxHamamatsuの立ち上げから今日までを振り返りながら、「努力は夢中に勝てない」「対話することで考えることを学ぶ」「考えることをやめない」「ワクワクすることに取り組んで」などなど、生徒たちに熱いメッセージをおくってくださいました。

講堂に現れた河口さんを見て、その背の高さに圧倒された生徒も多かったようで、バスケットボールをしていたという自己紹介に、大きく頷いていました。地方から世界へ・世界から地方へそれぞれの良さを発信することには壁がないと感じたことから、TEDxHamamatsuを作ろうと奔走したこと、「大変だったでしょう?」と言われるけれど「夢中」な日々はちっともつらくなかったというお話に、生徒たちは心を大きく動かされたようでした。

TEDxHamamatsuを初めて知った生徒もいたようですが、実は今までに西遠を会場にしたサロンも行われていたことをスライドで紹介していただき、見慣れた生活会館や図書館の写真にびっくりした様子でした。地元のこうした活動に、一気に親近感を増したことでしょう。

河口さんは、TEDxHamamatsuがなかったら知り合うはずのなかった世界中の人と、活動を通じて知り合い、刺激されてきました。西遠のHR展も同じことが言えます。今まであまり興味のなかったことも、クラスのテーマに決まれば皆で分担して調査し、取材で知り合った人から大いに刺激を受け、視野を広げています。それが、学園祭で終わることなく、早川千晶さんが講演に来てくださることになったり、ムーンダストプロジェクトが始まったりと、様々な方面に広がっています。

また、TEDxHamamatsuと繋がったおかげで、西遠もたくさんの出会いをいただきました。こうして河口さんにお越しいただけましたし、昨年まで生徒にデザインについてお話してくださった静岡文化芸術大学の峯郁郎先生(今春ご退官)もまたTEDxHamamatsuの中心的な人物です。「女性教育講演会」では、過去のTEDxHamamatsuスピーカーの佐藤真琴さん勝野 美葉子さんのお話を聞くこともできました。 今の高3が中3の時、天竜美林を調べたクラスは、木こりの前田剛志さんと出会いました。昨年のオンライン学園祭では、5菊の研究の中に、難民支援に尽力する渡部清花さんが登場しました。彼等もまたスピーカーです。私自身も、2018年2019年の2回、TEDxHamamatsuに参加しました。学ぶところがたくさんあり、スピーカーの方々に大いに影響を受けました。素敵な出会いもたくさんありました。 理事長先生もスタッフとして毎年活躍されていますし、先生方や生徒・卒業生も何人も参加しています。

河口さんのお話の中で、スクリーンに突然オオバの顔が出てきて、びっくりしました(笑)。

これはTEDxHamamatsu2019の時のものですね。左には昨春の卒業生(彼女も大いにTEDxの影響を受けた一人です。元気かな?)、右には懐かしき峯先生。そして、背中が写っている黒TシャツのSTAFFさんは、理事長先生です。生徒の皆さん、気づきました?

そんな素晴らしい出会いを私たちのもたくさん提供してくれたTEDxHamamatsuのオーガナイザー河口さんが、「西遠の学園祭に来たことがあります」とおっしゃった時、生徒たちがすごく嬉しそうな顔をしたのが印象的でした。そして、河口さんは、西遠の学園祭HR展を見学した感想をこうおっしゃいました。「驚かされましたし、感動しました。まぶしかった。そして、正直、嫉妬しました。」と。TEDxHamamatsuのような大きな企画をしている方から、「嫉妬」されたなんて、私はとても光栄な気持ちになりました。あとでこのお話を河口さんにしたところ、「ダンボールで立派に作るにはどうしたらいいか、どうやったら本物のように見えるか、真剣に考えて仕上げちゃう、そういう力がすごいって思ったんですよ。あれが大人だったら、お金かけて解決してしまいます。いろんな制約の中で、若い力で完成させるところに感動しました。」と説明してくださいました。生徒の皆さん、大人が「嫉妬」する、そんな取り組みを皆さんが毎年しているんですよ。「今年も驚かせてくれることを期待しています」とステージから皆さんに語りかけてくださった河口さんのエール! これは生徒たち、燃えますね!

最後に、大庭がインタビュアーになって、高2の生徒2人に突然マイクを向けました(突然ごめんね!)。二人とも、河口さんの言葉の中の「努力は夢中に勝てない」という言葉が心に残ったと語ってくれました。生徒は今回、グーグルフォームで感想を提出することになっています。どんな思いがこの特別講座を聞いて芽生えたでしょうか。実際に自分たちのHR展について考えが変わったり深まったりしたのかも興味あるところですね。

河口哲也様、生徒たちの学園祭の学びに、とても大事なお話をしてくださり、ありがとうございました! このお話が生徒たちの背中を大いに押し、深い学びのきっかけになることでしょう。HR展の今後の道のりが、ますます楽しみになってきました。