はちみつのひみつ

3年菊

 みなさんははちみつのひみつを知っていますか?実は、私たちが住む遠州でも養蜂が盛んなのです。この記事をみて、はちみつのひみつを知っていきましょう!!

はちみつとは?

はちみつとは、ミツバチが花の蜜を採集し、巣の中で加工、貯蔵されたものをいいます。約8割の糖分と約2割の水分によって構成され、ビタミンやアミノ酸、ミネラル類などの栄養素をわずかに含みます。

味や色は蜜源植物によって様々です。本来はミツバチの食料ですが、しばしば他の動物が食料として奪いにきます。

はちみつの作り方

①外勤バチが花を訪れる。

外勤バチは一回の採蜜で500もの花をまわります。

ミツバチが好んで訪れる花は、おもなものだけでも世界中に4000種以上あると言われていて、日本ではレンゲ、アカシア(ニセアカシア)、トチ、みかん、ソバなどで、花の種類によって、はちみつの香りや味わいが異なります

  • そば・・・味・においの癖が強い 栄養が多い 
  • あかしあ・・・くせがない すっきりとした味
  • 三ケ日みかん・・・さっぱり
  • 白花みつ・・・色々蜜が混ざっいる 味濃い クセが強いものもある

②外勤バチが蜜を胃(蜜のう)にためて巣に持ち帰る。

外勤バチは、40mgものほどの花蜜で「蜜のう」と呼ばれる胃をいっぱいにして巣に持ち帰ります。ちなみに、40mgというのはミツバチの体重の約半分です。

しかし、蜜をとっても巣に持ち帰ることのできる蜜の量は少なく、一匹の働き蜂が一生かかって作るはちみつの量は、なんとティースプーン一杯ほど!

③花蜜の受け渡し

外勤バチは蜜のうに貯め込んだ花蜜を、口移しで貯蜜係へ渡します。

④果糖とブドウ糖に分解する

ミツバチのだ液に含まれる転化酵素(分解する物質)によって、花蜜の成分をショ糖果糖とブドウ糖に分解します。

⑤貯蔵係のハチが花蜜に含まれる水を蒸発させる。

花蜜は、糖度40%前後水分60%もあり、サラッとしていてはちみつとは異なります。ここから貯蔵担当の働きバチが、35度という暖かい巣の中で、口で花蜜を引き伸ばして水分を飛ばしたり、羽で風を送って約3日かけて濃縮していきます。

⑥蓋をして保存

最後に、糖分80%水分20%に凝縮されるとミツロウ(ワックスのようなもので、巣の材料)でふたをして保存します。ミツバチは花蜜と一緒に花粉も集めるので、はちみつには花粉も混ざり、ビタミンやミネラルなどの180種類の栄養が含まれます。

その後、巣枠を「遠心分離機」という機械に入れて回します。回すことによって、遠心力が働いて、外側にミツバチが飛びます。蜜蓋を取り除いた巣枠を「遠心分離機」に入れ、回転させることで遠心力を利用して蜜を外側に飛ばします。その後、蜜蓋や巣の破片が混入しないように、しっかりとろ過を行いながら遠心分離器から別の容器に移します。

はちの生態について

 みつばちは、口吻と呼ばれるストローのような口で花の蜜を吸います。 そして、吸った蜜は腹部の「蜜胃」(一時的に蜜をためる場所)に貯めて巣に持ち帰ります。

 この蜜胃は、出かける時はほとんど空っぽの状態で、巣に戻った時には蜜でいっぱいになっています。 蜜を持ち帰ったみつばちは、巣の中で働くみつばちに口移しで蜜を渡したり、巣房(蜜を貯める部屋)へ移し変えたりします。

 働きバチのほとんどがメスで寿命は約1ヶ月です。ハチがはちみつづくりするのは死ぬ前の一週間だけです。ハチが一回で飛ぶ距離は2km、自分の体重と同じくらいの量のはちみつを蜜胃に溜め込んで運びます。お店で売っているはちみつを作るには2万5000時間かかります。蜜を集めたハチは貯蔵係による「蜜の品質テスト」があります。蜜が悪いと受け取ってもらえず、自分の順番が回ってくるまで待ち続けます。

 ハチは蜜のある場所をダンスをして仲間に伝えます。蜜があるところが近い場合は円形ダンス、遠い場合は8の字ダンスをします。8の字ダンスは太陽の位置を鉛直方向、直進を餌の方向として、餌の方角を伝えます。ダンスの回数が少ないほど蜜がある場所は遠いところにあります。

はちみつの巣の仕組み 

 ハチが作る巣は「ハニカム構造」といい、六角形をしています。六角形は、ハチが巣を作る際一番効率の良い形です。少ない材料で一番軽くて丈夫な巣を作ることができる形です。

 また、ハニカム構造の最大の特徴は「衝撃吸収性」と言われています。平面を隙間なく敷き詰めることが可能な三角形・四角形・六角形の図形のうち、強度の点で考えると、三角形が一番優れています。ですが、「力の分散」という点で考えてみると、一番多く力を分散でき、それぞれが受ける力が少なくなる六角形が最も衝撃吸収性に優れているのです。実際にハチの巣は「いかに多くの部屋を」「いかに丈夫に」という点で最適な構造をしています。

 そして蜂の巣の「ハニカム構造」は他にどんなところに使われているのでしょうか。例えばサッカーボールネットや、ロケットを作る際の内部にも使われており、世間的にも、「ハニカム構造」は効率が良くとても使いやすいということが知られてきているのです。

問題点

  今、問題となっていることは、大きく分けて3つあります。

 1つ目は、養蜂家の減少についてです。そもそも、養蜂家の減少とともに、高齢化も進んでます。そして、男女比が男性の方が多いことがわかっています。力仕事が多いことが原因であると思います。

 2つ目は、ミツバチの減少についてです。ミツバチが減少してしまうと、はちみつが入手できなくなってしまいます。ミツバチが減少している原因として、ミツバチの体に寄生するダニによる被害や、温暖化によってミツバチが巣の中で蒸殺されてしまうことが考えられます。また、農薬を被って死んでしまうこともあります。

 3つ目は、はちみつの原料である、花の減少についてです。気候変動により、花が咲く時期が変わったり、採蜜期間が変わったりしています。また、土地開発によって、花が減少してしまったこともあります。

まとめ

 みなさん、はちみつのひみつを知ることができましたか。養蜂が遠州地区でも盛んなので、ぜひ、地元のはちみつを食べてみてはいかがでしょうか。ミツバチを守るためにも、私たちは自然を保護する努力をする必要があると思います。

〈お世話になった場所〉

長坂養蜂場

〈参考サイト〉

山田養蜂場 健康科学研究所

映像授業のTry IT(トライイット)

伊豆下田 高橋養蜂 公式HP

ニッセイ基礎研究所

数学・統計学の和から株式会社

TADORI

みつばち百花

〈本〉

〈ざんねんないきもの事典〉P132

 発行所:株式会社 高橋書店

 監修者:今泉忠明

〈せつない動物図鑑〉P121

 2017年7月19日 発行

 著者:ブルック・バーカー

 発行所:ダイヤモンド社