突然ですが、東京の人口は増加している一方で、浜松の人口は減少していることを知っていますか?

このような、いわゆる「地方の過疎化」を私達は食い止めたいのです!
この問題を抱えているのは日本だけではありません。
「地方の過疎化」の深刻化がもたらす以下のような問題は持続可能な社会の実現を妨げます。

持続可能な社会を実現していくため「地域活性化」はとても重要です。
その取り組みの一つとして、私たちは「道の駅」に注目しました。
実際に8か所の道の駅を訪れ、まだまだ「未知な道の駅」を探求し、誰でもできる地域活性化の一歩を探しました。
道の駅とは
道の駅は1993年に初めて設立され、現在は全国に約1,230か所あります。
設立の主な理由は、鉄道の駅のようにトイレ等の施設を備えた休憩所を一般道路に求める声が高まったことです。
国土交通省は次の3つを道の駅の機能としています。

創設20周年目となる2013年には新しく「地方創生の拠点」と「防災拠点」、後に「まちの発展」の役割を果たすという機能が加わりました。
国土交通省は、2025年までに道の駅を「地域創生と観光促進の拠点」とするという目標を掲げ、以下の姿を目指しています。

場所によっては、人手不足、費用、立地といった各々の壁はあるものの、地域の特性に合わせたサービス提供により、この目標の達成を目指しています。
かつて求められていた姿「鉄道の駅のようにトイレがある休憩所」から「地域活性化を支える拠点」へと道の駅は進化しているのです。

海外の道の駅
道の駅は海外でも、日本の支援(JICA 独立行政法人国際協力機構、NPOなどの団体 等)を受けて設置されています。
日本の仕組みを参考にしたものや、日本が直接建設に関わったものがあります。
特に、タイ・インドネシア・モザンビーク・パラグアイ等には日本が建設に協力した道の駅があり、現地で「michinoeki」と呼ばれることもあります。

これらの海外事業の主な目的は、現地の農業者等の所得向上です。
栽培の技術だけでなく、農産物加工のスキルを持たせ、品質管理やブランド化等も指導するのだといいます。
ベトナムでの設立に携わった加藤文男さんによると、多くの海外の道の駅は現地からの依頼によって設立されているそうです。

こうして道の駅は、地域活性化を助ける場として海外からも注目を集めています。
道の駅と「地域活性化」の関わり
では、道の駅はどのようにして地域を活性化するのでしょうか?
県内外の人々が集まる場所だからこそ、次の3つを実現できるのです。



私達の提案
「地方の過疎化」を食い止めるために、今回の探究を通して私達が考えた、誰でも・どこでもできる「地域活性化のための3ステップ」を提案します。

まずはその地域の魅力を知り、その魅力を身を持って感じられる体験をし、その上でそれを周囲の人に共有する等して広める。
この小さな3ステップをぜひ試してみてください。
小さく、簡単なことではありますが、「地域活性化」へ大きな影響を与えてくれると思います。
次の課題は、地域活性化を「自分ごと」としてどう関わっていくか、ということになるでしょう。
一人一人がこれらを実践することで、日本に限らず世界のどの地域でもよりよい市民として生きる力を持つ人が増え、持続可能な社会への第一歩となるでしょう。
みなさんも、まずは道の駅でこの3ステップを試してみませんか?
インタビューにご協力いただいた方
加藤文男様(オンラインでインタビューにご協力下さいました)
・元富浦町役場 観光・企画課長
・元JICA南房総市 プロジェクトリーダー(対ベトナム)
・「道の駅」アドバイザー(全国「道の駅」連絡会)
・株式会社ちば南房総 相談役 他多数のご経歴

<道の駅> (写真:5年星組生徒撮影、使用許可取得済)








参考文献


イグアス居住地「パラグアイにある道の駅」(JICA 独立行政法人 国際協力機構)
「道の駅」 新たなステージの背景と今後の検討(案)(国土交通省)
今後の「道の駅」のあり方について:主な検討の背景(国土交通省)
道の駅 30年の歩みとこれから(一般社団法人全国道の駅連絡会)
