第1章 鍾乳洞ができるまで
竜ヶ岩洞の真上にある竜ヶ石山には、鍾乳洞 につながる雨水の吸い込み穴 ドリーネ があります。
〈ドリーネができるしくみ〉
① 雨は大気中の二酸化炭素を取り込み、弱い酸性になります。
CO₂ + H₂O → H₂CO₃
二酸化炭素 雨 水 弱酸性の水
② 降った雨は、石灰岩を少しづつ溶かして、次第に穴を広げていきます。
CaCO3 + H2CO3 → CaHCO3+ + HCO3-
石灰岩 弱酸性の水 炭酸水素カルシウムイオン
〈鍾乳洞の形成〉
ドリーネからの雨水が石灰岩の地層にたまり、石灰岩を溶かしながら洞窟を広げていきます。
やがて、地下水流が、石灰岩を溶かしたり削ったりして洞窟を広げていきます。 洞窟内には鍾乳石が発達します。
竜ヶ岩洞は、約2億5千万年前にできた「比較的若い鍾乳洞」です。ちなみに、恐竜が地球で暮らしていたのは約2億3000万年前〜6600万年前です。
〈鍾乳石の名前と種類〉
鍾乳石は炭酸カルシウムの結晶でできています。
CaHCO3+ + HCO3- → CO2 + H2O + CaCO3
炭酸水素Ca 炭酸水素塩 二酸化炭素 水 炭酸Caの結晶(方解石)
竜ヶ岩洞では、滴り落ちる水滴により成長する ドリップストーン が数多く見られます。
①~④は、石灰分を多く含んだ水の働きによって作られます。 その水が洞窟内でしたたり落ちる時に、ほんのわずかな方解石を後に残し①鍾乳管を形成します。 ①鍾乳管の管がつまると、外側に結晶がつき、太くて長い②つらら石に成長します。 また、水滴が落ちると、そこには③石筍が形成されます。 ②つらら石と③石筍がそれぞれ成長してくっつくと、④石柱になります。
竜ヶ岩洞のつらら石は100年間で1cmしか伸びないそうです!
第2章 竜ヶ岩洞について
竜ヶ岩洞は約2億5千万年前の歴史を持ち、東海地方最大級を誇る鍾乳洞です。様々な分野から、竜ヶ岩洞を見ていきましょう!
〈歴史〉
〈魅力〉
竜ヶ岩洞には、ここでしか見られない絶景や魅力が盛りだくさん!歴史が感じられる神秘的な鍾乳石を間近で見ることができます。その迫力は圧巻!
黄金の大滝 (おうごんのおおたき)
滝の落差は約30m!洞窟のはるか天上から勢いよく流れます!!
鳳凰の間 (ほうおうのま)
鳳凰が羽いっぱいに広げたような鍾乳石があり、自然が織りなす彫刻が見られます!
水神様 (すいじんさま)
全長2mほどの大きな池がブルーライトの演出により幻想的なエリアとなっています!
長寿の泉 (ちょうじゅのいずみ)
鍾乳石と同じくらいの美しさを持つ、透明感あふれる泉が見る人に感動を与えてくれます!
竜ヶ岩洞には、ここでは紹介しきれないほど、美しい輝きを持つ鍾乳石を楽しめるスポットがたくさんあります!
〈竜ヶ岩洞が”涼しい”秘密〉
地球がどんどん暑くなっている一方で、竜ヶ岩洞は年間平均18℃と夏でも冬でも過ごしやすい気温を保っています。これは、洞窟の岩盤には断熱材の役割があり、暑さを遮ることができるためです。一年を通して涼しい気温を保つことができる竜ヶ岩洞は、天然の冷蔵庫とも言われています。
〈竜ヶ岩洞はマイナスイオンがたくさん!?〉
竜ヶ岩洞には、たくさんのマイナスイオンがあります。マイナスイオンには、心身のリラックスや疲労回復、自律神経を整える効果などがあります。一般的に、原子や分子は安定した状態で空気中に浮かんでいるため、そこに強い衝撃が加わるとプラスとマイナスの電気に分かれ、マイナスイオンが発生します。マイナスイオンは激しく水がぶつかる滝や水辺、霧状の水多い森林などに発生しやすいため、竜ヶ岩洞では主に「黄金の大滝」周辺で発生しています。
〈今の地球は??〉
今、都市部を中心にプラスイオンが増えています。プラスイオンは、マイナスイオンとは違い、免疫力の低下など、私達の体に悪い影響を与えます。そのプラスイオンの増加を促しているのは、近年問題視されている大気汚染や紫外線の増加などによる環境破壊です。これ以上プラスイオンを増やさないために、私たちは地球環境の保全に取り組む必要があるのです。
竜ヶ岩洞が約2億5000万年かけて今の美しい鍾乳洞になったように、自然は長い年月をかけて形作られてきました。竜ヶ岩洞の姿を私たちが目にするようになってからわずか40年。この40年の間に環境破壊は急速に進んでいます。私たちは、太古の地球からの贈り物である竜ヶ岩洞から自然環境の大切さを学び、今まさに地球環境の保護に向けた行動を起こすときがきているのです。
ぜひ、みなさんも、竜ヶ岩洞に行って他では味わえない神秘的な空間を楽しんでください! そして、地球環境の保全に向けた新たな一歩を踏み出しましょう!
※このWEBページは、竜ヶ岩洞への取材・ホームページをもとに作成しました。また、掲載されている写真やイラストは竜ヶ岩洞にご提供いただきました.