未来にのこす建築

5年月

はじめに

私達は現代文の授業で隈研吾さんが書いた「小さな建築」を学び、災害によって建築史が大きく変化してきたことを知りました。
日本人にとってなじみのある「木」が今後も建築資材として十分であるのか、そして災害などからも人を守りそこにあり続ける建築は可能なのか、調査・研究することにしました。

そこで私たちは、主に3つに分けて調べました。
1.日本と世界の比較
2.地震への対策
3.地球環境と住宅

1.日本と世界の比較

レンガ建築で有名なイギリスは、昔、木造住宅が主流だったことがわかりました。
建物の高さも統一され、家同士の距離も近く、同じ様式の家が連なっているのが特徴です。
しかし、1666年に起きたロンドン大火をきっかけに、火災から家を守るためレンガや石畳建築へと変化していきました。それが現在でも続いています。
一方で、日本の住宅は災害や戦争をきっかけに何度も時代に沿った流行りの建築に建て替えられてきました。建物の高さも異なり、戸建てと高層建築の立地場所が区別されていないのが特徴です。
さらに、「国土交通省(2003年)」調べから、日本の建築寿命は世界と比べ短いことも分かりました。

私たちは、地域にある木造建築会社の「一条工務店」さんに取材しました。そこで、ヒノキは抗菌・防虫効果があるため、人にも家にも良いことがわかりました。

実は、世界最古の建造物”法隆寺”が現存している秘訣もヒノキを使っているからです。
浜松市天竜地区引佐地区でも生産されているヒノキは、耐久性・品質で世界最高レベルの建築木材とされています。私たちはそのヒノキを使用することで地震に強い家ができるのではないかと考えます。
また、リノベーションやリフォームをすることで家の寿命が延び、家との思い出も残すことが可能です。

2.地震への対策

日本は地震大国のため、地震に耐えうる建築が必須です。
日本の地震に対する構造は以下のようなものがあります。

私たちが住んでいる静岡県は、南海トラフ巨大地震が発生した場合、一番被害が大きいと予想されています。この地域だからこそ、”地震から家を守る”ことが、住宅建築の条件の1つになっています。

私たちは、鉄骨造を主とする「セキスイハイム」さんにも取材をしました。木造と鉄骨造では、家を建てる際の法律が違うことを知りました。木と鉄骨、それぞれの良さを活かした耐震技術に、私たちの暮らしも守られていると気がつきました。

また、セキスイハイムさんは、南海トラフ地震で想定される震度にも耐えられる家づくりをしており、実際、3.11東日本大震災でも倒れなかった家がありました。東海地方は自動車関係の仕事に勤めている人(技術者)が多いため、家にも高品質や高性能を求める傾向があるそうです。さらに地震が起きた後でも、電気が使える家の開発に取り組んでおり、地域や住む人に合わせて、最善の家づくりに尽力しているのだと感じました。

3.地球環境と住宅

外国産の木材使用が多くなっていますが、日本の住宅の8割以上が木造建築であることが取材でわかり、地球環境と住宅には何か関係があるかもしれないと思いました。

現在、地球を危険に晒しているのが「地球温暖化」だと言われています。主な原因として人間活動による二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスの増加が指摘されていますが、約2割に森林伐採が挙げられています。森林には、大気中のCO2濃度を減らす役割がありますが、森林伐採は「人間が生きるため」に世界中で行われています。

一方、日本の森林面積は過去40年ほとんど増減が無いのに対し、森林資源量(天然林・人工林合わせて)は増加していることが分かっています。つまり、木造住宅で活用できる国産の森林資源は十分にあるが、使われていないということです。

その理由は、外国産に比べ国産の木材は高額だからです。国産の木材を活用することで伐採・植林が繰り返され、大気中のCO2の吸収量が増え、地球温暖化防止につながります。外国産の木材使用が多い今、住宅と地球環境にも大きな関わりがあると考えました。

大気中のCO2の量を減らす新たな取り組みは、日本の建設業界でも動き始めています。
鹿島建設さんは「みどりのバリューチェーン」をテーマに、植林→育成→伐採→植林といった健全な生育サイクルで、地球環境を守ろうとしています。
さらに、「環境配慮型コンクリート(CO2を吸収するコンクリート)」の開発も手掛けています。これは海外からの関心も高まっているそうです。

最後に

私たちは調査・研究から、木材は、建築材料として将来的には十分であり、木を環境問題から切り離すことはできないということが分かりました。

私たちの結論 
 ・木と共に災害と戦わなければならない
 ・環境配慮型コンクリートで地球温暖化を
防止する

木で人を守り、コンクリートで地球を守るという形を提案します!

参考文献:教科書 新 精選 現代文B 明治書院(2022)P57~63 「小さな建築」
参考文献:鹿島建設 https://www.kajima.co.jp/tech/c_eco/co2/index.html#!body_02
参考文献:鹿島建設 https://www.kajima.co.jp/news/digest/apr_2022/feature/index.html

コメント

タイトルとURLをコピーしました