次に、世界各国の問題に苦しんでいる人々を救うために水の支援に参加している世界の機関・NGOを紹介します。
〈ウォーターエイド〉
ウォーターエイドは、1981年にイギリスで設立され、39年間にわたって、水・衛生分野に特化して活動してきた国際NGOです。2013年にウォーターエイドジャパンが設立され、2020年現在ではアジア、アフリカ、中南⽶など34か国で活動しています。すべての人が、すべての場所で、清潔な水を当たり前に利用できる世界を目指しています。
《ウォーターエイドの活動国》
東アフリカ⋯ピンク
ウガンダ、エチオピア、タンザニア、
ルワンダ
南アフリカ⋯黄色
エスワティニ王国、ザンビア、マダガスカルマラウイ、モザンビーク、南アフリカ
西アフリカ⋯緑
ガーナ、シエラレオネ、セナガル、ナイジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、リベリア、マリ
南北アメリカ⋯青
アメリカ合衆国、カナダ、コロンビア、
ニカラグア
アジア太平洋地域⋯オレンジ
インド、オーストラリア、カンボジア、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、パプアニューギニア、日本、東ティモール
ヨーロッパ⋯紫
イギリス、スウェーデン
【活動事例】
【1】inガーナ
人口の5分の1以上が清潔な水が使えず、約2400万人がトイレを利用することができないガーナは2029年までに先進国となることを目標に掲げています。そのため、気候変動や自然災害にも耐えることができる長期的な水を確保することやトイレの普及、衛生習慣の普及が必要となります。そこでウォーターエイドは天然資源を通じて資金調達するのが望ましいのではないかと考え調査を進めています。蛇口をひねると水が出る、トイレでドアを閉めるなど、そうしたことがすべてのガーナの人々にとって当たり前にならなくてはなりません。
普段はあまり考えないとは思いますが、水が毎日手の届くところにあることはとても幸せであり、私たち日本人は水に対するありがたみをもっと感じなければいけません。
【2】新型コロナウイルス対策
今、世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大しています。コロナウィルスの感染を防ぐために必要なことがたくさんある中でも手洗い・うがいはとても大切なことです。しかし、多くの国では手洗いのための場所がなかったり、手の洗い方などを知らないのが現状です。
これらの問題を解決するために以下のことを行っています。
- 人々がこまめに手洗いするための手洗い場の設置
- 手洗いの重要性、正しい手洗いの仕方を教えるキャンペーンの実施
そもそも、なぜ清潔な水・適切なトイレ・衛生習慣が必要なのでしょうか?
- 不衛生な水により、病気になり、治療費がかかり、働けないために収入も得られない、といった悪循環に陥ってしまうため
- トイレがないことで、本来予防可能な感染症によって命を脅(おびやか)される危険があるため
- 給水設備やトイレが整備されても、衛生習慣が根付いていない地域では、水に関連した病気がすぐに広がってしまうため
これらの理由から、ウォーターエイドは、以下のような活動をしています。
事業名 | 事業内容 |
途上国における井戸建設、トイレ建設、衛生教育などの水・ 衛生事業、およびそのための募金活動 | 寄付金による水・衛生プロジェクトのサポート |
世界の水・衛 生問題につい て関心喚起(かんしんかんき)をするための情報発信 | メールマガジン、ウェブサイト、 ソーシャルメディアなどを通じて途上国の水・衛生について情報発信、小・中学、高校、地域等での出前授業の実施、世界トイレの日(11月19日)、世界水の日(3月22日)のイベント実施、水・トイレへの関心の向上 |
世界の水・衛生問題に関する表明・政策提言 | アフリカ開発会議 (TICAD7)、マヒドン王子記念賞会議(PMAC)2020 / UHC フォーラム 2020などにおいて 水・衛生の重要性についての発信・呼びかけ |
※アフリカ開発会議(TICAD7)とは
アフリカの開発をテーマとする国際会議
※マヒドン王子記念賞会議(PMAC)2020とは
地球規模で人々の健康に影響与えるため、その解決に国際的な連携が必要とされる課題の潮流(ちょうりゅう)を形成する重要な会議
※UHCフォーラム2020とは
国際会議を通じてUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)推進の重要性を発信するもの
この他にもたくさんの団体が支援しています。
団体名 | 活動内容 |
ユニセフ | SDGs 6「安全な水とトイレを世界中に」に基づいて井戸などの給水設備を作ったり、トイレを設置したり、石けんを使った正しい手洗いなどの衛生習慣を広めるなどの活動を行っています。 |
イオンワンパーセントクラブ | 「国際的な文化・人材交流」「地域の文化・社会の振興」を活動の柱として現在ミャンマーと カンボジアでセーフウォーターキャンペーンを行っています。 |
フリー・ザ・チルドレン・ジャパン | 世界中の人々が誰1人取り残されることない社会を目指し、学校に行けない子供達のために何かできることを目標に、手動式ポンプの設置、井戸掘り、集水設備の整備、既存(きぞん)の水源を修復するなどの活動を行っています。 |
ワールド・ビジョン | 現地住民の主体的な運営を重視し、子供たちに正しい手洗いの仕方、トイレの使い方などを教えることで、衛生習慣の啓発(けいはつ)活動を行っています。 |
※「SDGs」とは
「持続可能な開発」のために2016年から2030年の15年間で17の目標を達成すると決められた国際社会共通の目標
※セーフウォーターキャンペーンとは
衛生的な水の確保が難しく、遠方へ水汲みに行く子供たちの健康面・教育面をサポートするためのキャンペーン
次に、世界の水問題の解決の鍵となる、日本の法律についていくつか説明します。
1.〈水資源開発促進法〉
これは、産業の開発・発展と都市人口の増加に伴う水の供給を確保するために水資源の総合的な開発と利用の合理化促進を目的とする法律です。
※水資源開発審議会とは
水資源開発水系、基本計画に関する重要事項について調査・審議したり、意見を申し出ることができる機関
2.〈水質汚濁防止法〉
1950年代初期に発生した水俣病・イタイイタイ病への対策の不十分さ
↓
1960年代に第二水俣病が発生
このことより、排水規制のしくみを全般的に強化するために制定された法律です。
ここからは、日本と海外の国が協力して行っているものを紹介します。
1.〈アジア水環境パートナーシップ(WEPA) 〉
これは、2003年に京都・滋賀・大阪で行われた、第3回水フォーラムで環境省が提唱し、アジア13ヵ国パートナーシップのもとに設置された知識ネットワーク事業です。
カンボジア・中国・インドネシア・日本・韓国・ラオス・マレーシア・ミャンマー・ネパール・フィリピン・スリランカ・タイ・ベトナム 以上13ヵ国で活動しています。
2.〈パリ協定〉
これは、気候変動を抑制するために世界各国で協力して取り組む事を定めた国際的な協定です。地球温暖化が、世界の水にも影響を与えてしまうのを知っていますか???
以上となります。
〈出典〉www.wateraid.org/jp/waterstory2019?gclid=Cj0KCQjwy8f6BRC7ARIsAPIXOjjssyBYQ4-bmuJFKK9BbOM(ウォーターエイド)
https://www.wateraid.org/jp/who-we-are/annualreport(ウォーターエイド)
https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_act01_03.html(ユニセフ)
https://ftcj.org/freethechildrenprogram/overseas/water(セーフ・ザ・チルドレン)
〈寄付のサイト〉
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/水質汚濁防止法 (水質汚濁防止法)