『水』~【5】浜松の水事情って?~

ここからは、私たちの学校がある浜松市の水事情を取り上げていきます。

以下の年表は現代までの水に関する歴史をまとめたものです。

このように私たち人間と水は、古代から深くかかわっています。

次は、浜松市はもちろん、全国で問題になっている「水道管の老朽化」を取り上げます。

(1)「水道管の老朽化」とは何か

水道管の老朽化とは、水道管の法定耐用年数(ほうていたいようねんすう)は40年間で、年数が経つことで老朽化が進み、漏水などのリスクが高まってしまうという問題です。現在ある水道管の多くは昭和30年代後半から、昭和50年の高度経済成長期に建設されています。つまり、同時期に布設替え(ふせつがえ)を行わなければならない水道管が多くあるということです。

  ※法定耐用年数 : 地方公営企業法施行規則に定められている水道管の寿命の目安

  ※布設替え : 古い水道管を新しく丈夫なものに取り替える作業のこと

そんな中、浜松市は平成11年から22年にかけて布設替えを行なっています。そして、平成23年から現在にかけて、再び行なっているところです。しかし、現在、法定耐用年数を超えている管が715km残っているのが事実です。

そして市は今後10年以内に更新が必要な管の長さは、合計1,467kmだと見込んでいます。一本の水道管の更新にかかる費用は35万円で、その総額は、約1880億円と想定しています。

(法律で定められているのは約40年なだけで、実際はそれ以上の年数が経っていても不具合が起きない場合もあります。管の種類や地盤の事情に差があるため、壊れるリスクがあるかは、それらをみて決めているそうです。)

(2)「水道の老朽化」による主な被害

水漏れ断水に始まり赤水(あかすい)と言われる赤さびを含んだ水が流れてくることもあります。

水漏れの原因としては、水道管内のサビや腐食によるものです。また、水道管が漏水(ろうすい)することにより道路陥没(かんぼつ)にも繋がりかねないため、すぐに修繕しなければなりません。

道路陥没 : 水道から出た水が道路の中の土をえぐって道路が落ちてしまったり、穴が空いてしまうこと

          

(3)浜松市の現状

 【1】現在の水道事業の投資額のままでは、更新するための費用が足りなくなってしまいます。また、浜松市は今後の人口の減少を見込んでいます。このままの規模の更新では需要の減少のため、水道事業が過剰になってしまうというのも問題です。

 【2】経験豊かな職員の減少に伴う技術力の低下が心配です。それに伴い、若手職員の育成もしていかなければなりません。これらの問題は、水道施設や維持管理への影響が考えられます。

(4)浜松市の対策

 【1】(水道事業の財政)への対策

まず、更新コストの減少を図る必要があります。具体的には、浜松市の現状に適した更新基準年数を設定したり、施設の統廃合などがあります。計画的に更新していく必要があります。

 【2】(職員の減少)への対策

職員の技術力の維持・向上のための取り組みとして研修会や講習会へ参加することが必要となります。また、国際協力機構(JICA)と技術協力をし、問題発見や技術力の向上を目指しているそうです。しかし、熟練職員の技術の継承のためのマニュアル作りなどが遅れています。

これら以外にも、浜松市ではたくさんの取り組み(例えば、施設の保守点検や省エネ、水質管理など)を行っていることがわかります。

水道管の老朽化以外にも、浜松市や遠州地方・日本にわたって、水や水道管の問題は多くあります。その代表例として、リニア鉄道を巡る大井川の問題や、水道の民営化などがあり、どれも、私たちの生活に影響が出てくるものです。私たち市民は、高い意識や関心危機感を持つことが大切だと思います。

〈出典〉

https://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/c_actual/actual02.html(国土交通省)

 https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/sd-kouji/bijon/bijonsakutei.html

(浜松市水道局 水道事業ビジョン      本編pdf版本編)

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