今回、私たちは『方言』について調べてきました。
普段、何気なく話している言葉は、よく考えてみれば昔からその土地に根付いている言葉であり、私たちも幼い頃から自然に使用したり、長年住んでいる地域の言葉を自然に使用したりするようになっています。
※以下 ネットアンケート実施結果 (回答者:日本人小学生~70代 男女 471人)
下記の④アンケート結果にもあるように、自分の地域の方言が好き・どちらかといえば好きな人は6割以上になっている。
しかし、今回調べてきたように、方言は薄れてきてしまっている。
私たちはその原因を以下のように考えた。
①昔に比べて、家族構成が変化した。
②インターネットなどの通信網の大幅な普及。
③田舎地域の過疎化。
④地方都市の都市化。
★上記アンケート結果③にあるように、核家族が多く、2世代・3世代で生活を営んでいるという家庭がやはり少ない。
核家族化が増え、祖父母、曾祖父母との日常的な交流が大幅に減少した。そのことにより、その地域の言葉・方言が次の世代へと繋がりにくくなっている。
( 代々先祖 → 曾祖父母 → 祖父母 → 父母 → 子 → ・・・・・)
★また、インターネットのなどの普及により、様々な地域との交流が可能になり、それぞれの地域の言葉の壁が薄くなり、変化しながら混ざっていっているのも大きな要因の1つであると考える。
これらは、海外でも共通している点であると思う。
しかしながら、アンケート④や下記アンケート⑧の結果にもあるように、人々の方言に対するイメージは良いと考える。
そして、『日本の方言は今後、後世に残していくべきだと思いますか』という質問に、92.3%が残していくべきと回答してくれた。
残すべきと回答してくれた人のうち70%超の人が、
・地域の伝統、文化であり特色であるから。
・その地域の魅力であるから。
・話している方言の言葉の由来から、その地域の歴史がわかったりするから。
・全国どこでも同じ言葉だと、その土地ならではの良さの一つが消えてしまうと思うから。
・自然と残っていくもの。
というような、回答であった。
残さなくてよいの意見としては、
・分かりづらい
・聞き取りづらい
・時代に合わせていくべき
・無理に残す必要はない
・メディアの発達により消えていっているため、簡単に止められることではないから
などの意見があがった。
最後に『方言保存』で色々と調べてみると、消滅の危機を訴えたり、保護を推進する団体やプロジェクトの名前が多々出てくる。そこでは、具体的に消滅危機にある言語を調査し、そのデータをデータベース化して保存すると共に、一般公開する。また、その言語の一般的特性、言語習得の問題等を考え直している。(文化庁が「消滅の危機にある方言・言語」としてサイトを立ち上げ、日本国内における実態調査研究を進めている。)↓ ↓ ↓
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/kikigengo/index.html
また、海外でもそのような動きがあり、ニューヨークに拠点を置く非営利団体は、危機に瀕した言語を記録し、その物語・伝統などを録音し、注意を喚起することによって再活性化させようとしている。2012年6月には、グーグルが絶滅危機言語に関する全体的な知見を提供するプロジェクト「 Endangerd Languages Project」を発表し、絶滅の恐れのある言語3,000以上を記録するもので、「Alliance for Language Diversity」と協力して構築された。
今回、方言をテーマにしたことで、日本の現状、世界の現状が少しだが見えた。
これらを通して私たちが今からできることは、『方言』はそれぞれの地域の大切な文化であるという認識を持つことではないかと思う。しかし、意識的に話す、習得するということではない。やはり日常生活の中でのコミュニケーションから言葉は習得していく。その中で、自然と会話に出てくるものがやはり『方言』なのだ。今後私たちは、高齢者の方たちとの交流を積極的にしていくことも大切なのではないか。突然大きなことはできないが、まずは自分の周りの小さなことはら考えればよい。些細な事かもしれないが、自分の祖父母、曾祖父母に会いに行く回数を増やしたり、コミュニケーションを今より増やしたり、今までより少し意識をしていくことも大事ではないかと思う。
そして、他地域を訪れた時に、その地域の言葉、その地域の方たちとの交流を楽しんでいきたい。
これから50年、100年先に、それぞれの地域に方言がより良く残っていることを、私たちは願う。
今回HR展でネットアンケートに答えてくれた方々、そして電話取材を受けて下さった舟橋様、二橋様、ご協力いただきまして、ありがとうございました。