4.保護活動団体

殺処分が減ったもう一つの理由は、保護活動を行う団体が増えたことがあげられます。
現在、静岡県では27団体、全国で最も多い東京都では55団体が活動しています。
今回は、県内で活躍する団体にお話を伺いました。

アニマルフォスタペアレンツ

湖西市で活動しているアニマルフォスタペアレンツさんでは、静岡県西部地区を中心に、捨てられて行き場のない犬猫の救助と保護をし、新しい家族探しをしています。
譲渡される犬猫は年間約350頭ほどです。
取材に行き最初に案内されたのは、中・大型犬の檻でした。
約20匹の犬が、2匹ごと檻に入っていました。中には、7年前に保護された犬もいました。
檻の中は少し窮屈そうに感じましたが、多くの命が救われたということがよく伝わってきました。
野犬だった子がほとんどのため多くの犬は臆病で、中には車に乗せることができず、病気にかかってしまっても病院に連れていけないケースもあるそうです。
その後,猫の部屋にも案内してもらいました。中には捨て猫がたくさんいました。
そのような犬を人間に慣れさせ、一匹でも多くの犬猫に幸せになってもらうことを目的として活動しています。

アニマルフォスター代表の杉浦さんからお話を伺いました!!

フジ子
フジ子

Q.なぜ、犬猫の保護活動を始めようと思ったのですか?

杉浦さん
杉浦さん

A.今から25年前、山口県で出会った野犬がきっかけで、保護活動を始めました。

フジ子
フジ子

Q.譲渡はどのような仕組みで行われているのですか?

杉浦さん
杉浦さん

A. 譲渡を希望する人がいたら、まずは最後まで責任を持って飼えるかどうか、飼うための環境は整っているかを、慎重に話し合いを行います。
100パーセントの希望者に譲渡できるわけではありません。
希望者が高齢だったり、ペットを飼ってはいけないマンションだったりなど、最終的に譲渡できるのは約60%くらいになります。

譲渡は思っていたよりも少ないが、たくさんの命が救われていることが分かった!

フジ子
フジ子

Q.どうしていけば、悲しい思いをするペットが減ると思いますか?

杉浦さん
杉浦さん

A.まずは若い人から考え方を変えてほしいです。
愛情だけで動物を飼う事はできない。
そのことをよく理解してほしい。

それから、杉浦さんがこんな言葉を言ってくださいました。

杉浦さん
杉浦さん

人の気持ちひとつで幸せになれる。死ぬこともある。
犬は言葉を発せなくても人を信じようとしているから、
人間も動物の気持ちに応えなければならない。
まずは現状を知り、今すぐにはできなくても、大人になったら飼ってほしいし、
道端に捨てられたり迷子になっていたりしたら、手を差し伸べてあげてほしい。
そこで命を終わらせないで。

貴重なお話、ありがとうございました。

捨て犬!捨て猫!ゼロの会

動物と人を救う活動をしている「捨て犬!捨て猫!ゼロの会」の事務局長をしている成瀬正子さんに私たち5年藤組がインタビューをさせていただきました。

きっかけ

マンションに住んでいた正子さんはお隣のご夫妻が野良猫に餌をやったら子供ができてしまって、困っているのを助けてあげたいと思い、動物愛護について聞いたり、調べたりするようになりました。
市役所の人からは「あなたなんかが動物を助けることなんてできないよ」と言われましたが、正子さんはめげずに動物を助けようと市役所などに通い続けました。そうして、捨て犬!捨て猫!ゼロの会を作ったそうです。

活動内容

犬猫を保護するのはもちろんですが、それとはもう一つ、ペットの相談も受けているそうです。メールでのやりとりだと相手の状態がよく伝わらないので、電話をしたり直接会ったりしているそうです。ペットの飼い方などを飼い主の方と一緒に考え、人と動物がより良い生活を送れるようにしています。
大きな団体ではないので、直接的ではなくこのように間接的に愛護する団体だそうです。

私たちに出来ること 

犬を飼っている方

法律で定められたペットの登録をすることや狂犬病の注射をすることはもちろん、犬の散歩をする時はリードを必ずつけることや最後までお世話をすることが大切です。

猫を飼っている方

室内で飼うことや、避妊、去勢をすることはもちろん、最後までお世話をすることが大切です。

日本のペット問題

まず第一に、ペットを飼っている高齢者の方が色々な理由で飼えなくなり放置又は引き取ってもらうことが増えていることが挙げられます。
また、生活保護で生計を立てている人が野良猫や野良犬に餌付けをしてしまい,引き取らざるをえなくなることもあります。

日本のペット問題を改善するには

ペットの目線ではなく、人の目線で見て、どのようにしたら動物と人がうまく付き合っていけるかを判断すること。正子さんはこの活動を通して、ペットだけではなく、人も同時に苦しんでいることがわかったそうで、日本には人と動物の福祉を作ってほしいそうです。人と動物が共存する社会ではなく、人が動物とよりよく豊かに暮らすことができる社会にしていきたいそうです。

チームシュナウザーレスキュー

全国で活動している「チームシュナウザーレスキュー」はシュナウザーを対象に保護活動を行っています。
シュナウザーが大好きなシュナオーナー有志が集まり2012年より保護活動を行っています。
個人の集まりなので専用の保護施設(シェルター)はありません。
各メンバーの家庭でただ大切にお預かりさせていただいてます。
全てのと都道府県にメンバーが在籍している訳でなく、まだまだシュナウザーになにもしてあげられないエリアがあります。

チームシュナウザーレスキューの方にリモートで取材をさせていただきました。

フジ子
フジ子

Q.この活動を始めたきっかけを教えて下さい。

成瀬さん
成瀬さん

A.自分自身、シュナウザーが好きだったこともあり、殺処分されてしまうシュナウザーを救いたい!という思いからこの活動を始めました。

フジ子
フジ子

Q:なぜあえてシュナウザーだけを保護すると決めているのですか??

成瀬さん
成瀬さん

A:初めて保護したのがシュナウザーだったからです。また知人がそのような活動をしていることもあったため、保護活動を開始し始めました。

フジ子
フジ子

Q.「里親詐欺防止のため、一度自宅訪問をしております。」とHPに書いてあったのですが、具体的にはどのようなものがあるのですか?

成瀬さん
成瀬さん

A:里親になりすまして、保護犬を引き取りるが、
・転売をする
・繁殖をさせる
・虐待をする  などなど、、、
人の好き勝手に扱われることです。

フジ子
フジ子

Q:なぜシェルターではなく、各家庭でお預かりをしているのですか?

成瀬さん
成瀬さん

A:シェルターだと人の温かみが伝わらないため、各家庭でお預かりをしています。また、犬がいることによって生活の質もあがるので、どちらにも利益があります。

フジ子
フジ子

Q.トライアル期間とは何ですか?

成瀬さん
成瀬さん

2週間程度一緒に生活していただく期間のことで、その間に生活に問題がないか、ご家族、わんちゃんお互いの相性やアレルギー、生活パターンなど確認をしていただきます。
トライアル中は預かりメンバーと密に連絡を取っていただき、状況報告をお願い致します。

出典:チームシュナウザーレスキューの資料より

ぜひみなさまにもお力添えいただけると助かります!

TSR(チームシュナウザーレスキュー)はメンバーをまだまだ募集中です!

私たちと一緒に一緒大好きなシュナウザーのため、できることでをやってみませんか?

浜松家畜病院

これらの話から、私たちは「犬猫を売買する場所」を変えていく必要性を感じ、「新しい売買」の第一人者である獣医師の武信さんに取材をさせていただきました。
1972年より龍禅寺町にて開業以来、常に時代に合った質の高い医療を提供しています。獣医師としてだけではなく、教育者としての立場から浜松トリミング専門学院を併設し、“嘘のない医療”を信条として、診療を行っております。
※出典:Dog galleryのサイトより


先日、浜松家畜病院の獣医師さんにインタビューをさせていただきました。

フジ子
フジ子

きっかけは??

武信さん
武信さん

一般的なペットショップでは、動物たちはまだ親や兄弟と一緒にいることが望ましいとされる時期に、親元を離され小さなショーケースに並べられて、いい環境とは言えない状況下に陳列されていました。さらに、先天性の疾患の子や病気になっている子もそのまま販売されていました。

そんな状況を変えたいという思いもあり、動き始めました。

出典:Dog galleryのサイトより

フジ子
フジ子

どのようなことを行っているのですか?

武信さん
武信さん

保護犬を減らすためには、もちろん保護された犬を助けることも大切ですが、捨てられる犬を減らすことも大切だと思います。そのためには、犬も飼い主も幸せであることが大切だと思います。両者が幸せになるための活動をしています。

武信さん
武信さん

例えば、劣悪な環境下で販売されていた犬たちや、病気のまま売られている犬たちを救うために、獣医師として事前に健康チェックやマイクロチップを埋める活動をしていました。今では、浜松の多くのペットショップにその考えが広まり、動物病院が併設されているペットショップが増えました。犬たちにとってもよい環境で、飼い主にとっても安心してペットと出会える環境ができたと思います。

現在は、あとで紹介する鈴木先生と共に、動物行動学の面からアプローチすることを試みています。

武信さん
武信さん

犬は生後3か月までにどれだけ色々な経験をするかが大切です。その期間に多くの人や別の動物と触れ合ったり、外の音や刺激うけたりすることで、大きくなったとき問題行動、例えば、他の犬に激しく吠える。車に以上におびえる。などの行動がなくなります。

武信さん
武信さん

生後3か月の犬に、色々な経験をさせることは、個人ではなかなかできないことです。なので、「パピーパーティー」というイベントを行っています。「パピーパーティー」とは、子犬が集まり、人と子犬が接触できるイベントのことです。子犬は社会性をはぐくみ、イベントに参加した人も、犬との過ごし方、接し方を学べます。

一緒に活動している鈴木さんのお話は、6番の動物福祉の考えに書かれています。
出典:一般社団法人 日本ドッグビヘイビアリスト協会JDBA

皆さんは色々な保護活動団体のお話を聞いてどう考えますか?
今までのペットの認識を改め、ひとりでも多くの人の心に響いてほしいと思います。

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